蜜別居?(2年振りに逢った旦那は隣に住んでました!浮気相手と一緒じゃなくて良かったです!)

ハッピーバースデーの歌からローソク消しを終えて母と沙友理さんの手料理が並んだテーブルは華やかで皆んな好きな飲み物を手に乾杯をした。


ピンポーン♪♪


自宅のインターホンに母が出て「奏、鍵開けて」とだけ言われて渋々グラスを置いた。

まあ誰も出れる状態じゃなかったから仕方ないとは思うけど面倒臭い。

ガチャと玄関が開き顔を見せた久しぶりの人達に驚きを隠せない

「奏ちゃんじゃない!!もう変わらず可愛い」

「奏ちゃん久しぶり」

安見家ご夫婦の登場に慌てて「お久しぶりです」と言うと瀬名ママは涙を浮かべて私を抱きしめた。

「あの、おばさん…」

「美佐やめなさい。奏ちゃん困ってるだろ」

おじさんの静止で瀬名ママの興奮は少しおさまったっぽいけど私の顔を触りまくる。

「本当にこの度は…」

2年前に別居をした事でお詫びの挨拶で会ったっきりその後は会って居なかった。

「今日はお祝いなんだから気にしないの!まだ正式に離婚したわけじゃないんだしねぇ〜パパ」

「そうそう!まだ娘だと思ってる」

この義理の父母とリビングの入口から笑顔でこっちを見ている実の母達はまだ私と瀬名の仲を諦めてないらしい。

「まあまあ早く上がって!波瑠も待ちくたびれてるから」

安見家の長男と瀬名はまだ未婚だから孫がまだ居ない。
代わりに両家の孫のように波瑠を扱ってるらしい。

「せなパパとせなママ〜」

「波瑠ちゃーん。元気だった?運動会以来ね〜」

せなパパ、せなママって…
何故に瀬名メインよ。
大輝兄(安見家長男)も居るのに。

「運動会って?」

「叔父様と叔母様が朝早くから観覧する場所を取ったりしてくれたの」

「そうなんだ…」

沙友理さんの嬉しそうな言葉に別居中と言う現実は何処かへ去ってるみたい

(これじゃあ離婚しても瀬名と夏生さんもキツいよね)

両家の仲の良さに瀬名が離婚を進められない原因を目の当たりにした気がした。