…だけど…驚いた。
「珠蓮君…君は、この里に住んでるの?」
「…?えぇ、勿論ですが…」
「賢者の石を守る為に?」
「賢者の石…ですか?いえ、自分は…聖賢者様のご命令通り、族長様のお世話をさせてもらっています」
「…」
…この世界の私、珠蓮君にそんな命令をしたの?
蘇った族長の世話係を、珠蓮君に?
フユリ様にお使い頼むようなもんだよ。
珠蓮君に、なんてことをさせてるのさ。
「そう…ごめんね」
本来君は、そんなことをする為に修行していたんじゃないだろうに。
「いえ、そんな…とんでもありません。聖賢者様から名誉あるお役目を賜り、大変光栄に思っています」
「…」
元の世界に帰ったら、君にも謝るよ。
…さて、それはともかく。
「…族長が、私に会いたがってるって…ヴァルシーナちゃんに聞いたんだけど」
「えぇ。昨日、ヴァルシーナさんもいらっしゃいました。今日は聖賢者様が自ら足を運ばれたと聞いたら、きっとお喜びになると思います」
馬鹿げた話だね。
族長が私の姿を見て、喜ぶなんて。
元の世界だったら、絶対に有り得なかっただろう。
「こちらです。どうぞ」
珠蓮君に導かれて、私は族長のいる家に向かって歩き始めた。
通り過ぎる景色がいちいち、里の記憶と重なって。
族長の家に着く頃には、すっかり気分が悪くなっていた。
それなのに珠蓮君は、朗らかな声で言った。
「近頃の族長様は、随分安定してきたようですよ。日中も起き上がったり…少しだけですが、歩いたりも出来るようになってきたんです」
「…そう」
「この調子だと、あと半年もしたら、普通の生活が出来るようになっているかもしれませんね」
昨夜、一晩死者蘇生ファイルを読んで分かったことだけど。
私がこの世界で行った死者蘇生は、死んだ人本人の死体に、その人の魂を宿らせるのではなく。
全く関係のない別の他人の死体に、蘇らせたい人の魂を宿らせるという手段を使っていた。
無理もない。
本人の死体を使いたいのは山々だけど。
族長本人の死体は、イーニシュフェルト魔導学院の土の下に埋まっている。
私はルディシア君のようなネクロマンサーじゃないから、死体を無理矢理掘り起こすなんて芸当も出来ないしね。
そこで思いついたのが、他の人間の身体を使って、蘇らせたい人の魂を宿らせるという方法だ。
「珠蓮君…君は、この里に住んでるの?」
「…?えぇ、勿論ですが…」
「賢者の石を守る為に?」
「賢者の石…ですか?いえ、自分は…聖賢者様のご命令通り、族長様のお世話をさせてもらっています」
「…」
…この世界の私、珠蓮君にそんな命令をしたの?
蘇った族長の世話係を、珠蓮君に?
フユリ様にお使い頼むようなもんだよ。
珠蓮君に、なんてことをさせてるのさ。
「そう…ごめんね」
本来君は、そんなことをする為に修行していたんじゃないだろうに。
「いえ、そんな…とんでもありません。聖賢者様から名誉あるお役目を賜り、大変光栄に思っています」
「…」
元の世界に帰ったら、君にも謝るよ。
…さて、それはともかく。
「…族長が、私に会いたがってるって…ヴァルシーナちゃんに聞いたんだけど」
「えぇ。昨日、ヴァルシーナさんもいらっしゃいました。今日は聖賢者様が自ら足を運ばれたと聞いたら、きっとお喜びになると思います」
馬鹿げた話だね。
族長が私の姿を見て、喜ぶなんて。
元の世界だったら、絶対に有り得なかっただろう。
「こちらです。どうぞ」
珠蓮君に導かれて、私は族長のいる家に向かって歩き始めた。
通り過ぎる景色がいちいち、里の記憶と重なって。
族長の家に着く頃には、すっかり気分が悪くなっていた。
それなのに珠蓮君は、朗らかな声で言った。
「近頃の族長様は、随分安定してきたようですよ。日中も起き上がったり…少しだけですが、歩いたりも出来るようになってきたんです」
「…そう」
「この調子だと、あと半年もしたら、普通の生活が出来るようになっているかもしれませんね」
昨夜、一晩死者蘇生ファイルを読んで分かったことだけど。
私がこの世界で行った死者蘇生は、死んだ人本人の死体に、その人の魂を宿らせるのではなく。
全く関係のない別の他人の死体に、蘇らせたい人の魂を宿らせるという手段を使っていた。
無理もない。
本人の死体を使いたいのは山々だけど。
族長本人の死体は、イーニシュフェルト魔導学院の土の下に埋まっている。
私はルディシア君のようなネクロマンサーじゃないから、死体を無理矢理掘り起こすなんて芸当も出来ないしね。
そこで思いついたのが、他の人間の身体を使って、蘇らせたい人の魂を宿らせるという方法だ。


