吐月の後に会ったのは、エリュティアと無闇の二人だった。
「あ…。エリュティア、無闇…」
「?羽久さんじゃないですか」
「どうした。何か伝言でも?」
エリュティアと無闇は、突然現れた俺の姿を見てそう尋ねた。
「…悪い。今から任務だったか?」
「?はい、この後二人で任務に出ますけど…」
こちらの二人も、これから任務に出るらしい。
忙しいところ悪いが、少し俺の相手をしてもらいたい。
「…ちなみに、どんな任務なんだ?こっそり教えてくれないか」
「えぇ?別に、こっそり教えるようなものじゃないですけど…」
「人探し…ならぬ、インコ探しだ」
と、無闇が教えてくれた。
…インコ?
「王都のとある家庭で飼っているセキセイインコが、鳥かごの掃除中に脱走して、まだ戻らないらしい。それを探しに行く」
とのこと。
成程、それでインコ探し…。
探索魔法が得意なエリュティアの手にかかったら、インコ探しもお手の物だろう。
…それにしてもまさか、エリュティアの探索魔法を、街のインコ探しに利用するとは…。
才能の無駄遣いなのでは?
確かにインコも大事だけど。飼い主にとっては家族に等しい存在だろうけど。
しかし、もっと優先すべきことが他にあるような気がする…。
さっきの吐月も、砂防工事の手伝いという、割と平和な任務だったもんな。
もしかしたらこれが、この世界の特徴の一つなのかもしれない。
人が怪我をしたり命を落とすような、悲しい出来事が起きにくい。
だからクュルナの親友も死んでないし、吐月も雪刃に脅迫されて、人殺しの罪を犯していない。
従って、聖魔騎士団魔導部隊大隊長の面々も。
砂防工事の手伝いやインコ探しという、比較的平和な任務についている。
本当の世界も、こんな任務ばかりだったら良いんだけどな。
「すぐに見つかると良いんですけどね」
「大丈夫だろう。インコの羽根では、それほど遠くまでは行けないだろうし」
なんとも平和な会話じゃないか。
ついこの間まで、アーリヤット皇国との戦争の話をしていたとは思えない。
…この世界では、他国との戦争なんて全く無縁の話なんだろうな。
フユリ様とナツキ様、凄く兄妹仲が良いってことだったし。
「それで…羽久さんはどうしたんですか?」
と、エリュティアが尋ねた。
俺か…俺は…。
…。
…この、誰にとっても幸福で平和な世界では、もしかして。
「エリュティア。つかぬことを聞くが」
「はい?」
「…お前、最近…家族とは、どんな感じだ?」
本当の世界でエリュティアは、イーニシュフェルト魔導学院に入学する代わりに、家族と絶縁する羽目になった。
今に至るまで、家族と和解したという話は聞いていない。
…しかし。
「どうしたんですか?いきなり、そんなこと…」
「良いから、何も聞かずに教えてくれ」
「えーっと…。どんな感じと言われても、いつも通りですけど…」
いつも通り…。
それは、いつも通り何の音沙汰もない、という意味ではなくて。
「相変わらず、家族は皆仲良しですよ。僕も休みの日には、よく実家に帰ってるんです」
案の定、エリュティアは嬉しそうな顔でそう答えた。
…やはり、そうだったか。
「あ…。エリュティア、無闇…」
「?羽久さんじゃないですか」
「どうした。何か伝言でも?」
エリュティアと無闇は、突然現れた俺の姿を見てそう尋ねた。
「…悪い。今から任務だったか?」
「?はい、この後二人で任務に出ますけど…」
こちらの二人も、これから任務に出るらしい。
忙しいところ悪いが、少し俺の相手をしてもらいたい。
「…ちなみに、どんな任務なんだ?こっそり教えてくれないか」
「えぇ?別に、こっそり教えるようなものじゃないですけど…」
「人探し…ならぬ、インコ探しだ」
と、無闇が教えてくれた。
…インコ?
「王都のとある家庭で飼っているセキセイインコが、鳥かごの掃除中に脱走して、まだ戻らないらしい。それを探しに行く」
とのこと。
成程、それでインコ探し…。
探索魔法が得意なエリュティアの手にかかったら、インコ探しもお手の物だろう。
…それにしてもまさか、エリュティアの探索魔法を、街のインコ探しに利用するとは…。
才能の無駄遣いなのでは?
確かにインコも大事だけど。飼い主にとっては家族に等しい存在だろうけど。
しかし、もっと優先すべきことが他にあるような気がする…。
さっきの吐月も、砂防工事の手伝いという、割と平和な任務だったもんな。
もしかしたらこれが、この世界の特徴の一つなのかもしれない。
人が怪我をしたり命を落とすような、悲しい出来事が起きにくい。
だからクュルナの親友も死んでないし、吐月も雪刃に脅迫されて、人殺しの罪を犯していない。
従って、聖魔騎士団魔導部隊大隊長の面々も。
砂防工事の手伝いやインコ探しという、比較的平和な任務についている。
本当の世界も、こんな任務ばかりだったら良いんだけどな。
「すぐに見つかると良いんですけどね」
「大丈夫だろう。インコの羽根では、それほど遠くまでは行けないだろうし」
なんとも平和な会話じゃないか。
ついこの間まで、アーリヤット皇国との戦争の話をしていたとは思えない。
…この世界では、他国との戦争なんて全く無縁の話なんだろうな。
フユリ様とナツキ様、凄く兄妹仲が良いってことだったし。
「それで…羽久さんはどうしたんですか?」
と、エリュティアが尋ねた。
俺か…俺は…。
…。
…この、誰にとっても幸福で平和な世界では、もしかして。
「エリュティア。つかぬことを聞くが」
「はい?」
「…お前、最近…家族とは、どんな感じだ?」
本当の世界でエリュティアは、イーニシュフェルト魔導学院に入学する代わりに、家族と絶縁する羽目になった。
今に至るまで、家族と和解したという話は聞いていない。
…しかし。
「どうしたんですか?いきなり、そんなこと…」
「良いから、何も聞かずに教えてくれ」
「えーっと…。どんな感じと言われても、いつも通りですけど…」
いつも通り…。
それは、いつも通り何の音沙汰もない、という意味ではなくて。
「相変わらず、家族は皆仲良しですよ。僕も休みの日には、よく実家に帰ってるんです」
案の定、エリュティアは嬉しそうな顔でそう答えた。
…やはり、そうだったか。


