何を言われても、どんなに否定されても、俺の中の記憶は変わらない。
「俺は覚えてるよ。お前達が忘れても…俺はシルナを忘れない」
ずっと一緒に生きてきた。俺という人格が、この世に生まれたときから。
ルーデュニア聖王国を建国して、イーニシュフェルト魔導学院が創立されて。
ずっと俺は、シルナの隣にいた。
ずっと一緒に…大変なときも、苦しいときも辛いときも。
幸せなときも、心休まるときもずっと…一緒に生きてきたのだ。
シルナと一緒に過ごすその日々の中で、俺は仲間達と出会ってきた。
シュニィとも、イレースとも天音とも。
ナジュや令月やすぐりとも。
その他、たくさんの仲間達に出会ってきた。
その中心にいるのは、いつだってシルナだったはずだ。
俺は何も忘れてない。シルナと共に過ごしてきた全ての一分一秒、瞬間の積み重ねを。
確かに、俺の記憶の中にある。
この記憶だけは絶対に、誰にも奪わせない。
「居たんだ、確かに。この場所に。シルナ・エインリーが」
いつだって、俺達の中心に居たんだ。
ずっと一緒に、どんなことでも一緒に乗り越えてきたんだよ。
「本当に…居たんだよ…」
どうして忘れてしまうのか。
皆にとってシルナは…そんな簡単に忘れてしまう程度の存在だったのか?
「…嘘をついている、とは思ってませんよ。あなたがそう主張するってことは、あなたの中では、その記憶が正しいんでしょう」
ナジュは、静かにそう言った。
静かで穏やかで、しかしきっぱりとした口調で。
「ですが、僕達もあなたと同じように、確かな記憶があるんです。これまで生きてきた記憶。…その、シルナ・エインリーさんの存在しない世界で生きてきた記憶が」
「…!」
…シルナの、存在しない世界。
「極楽って程じゃないですけど、それなりに幸せな毎日を送ってきました。僕達のこの記憶を否定しないで欲しいです」
「…それは…」
「それに、あなたの記憶にある僕達の過去は…どうやら僕達にとって、かなり過酷なもののようですから」
…。
…そうだな。
イレースにとっても天音にとっても。
令月やすぐり、ナジュとリリスにとっても。
本来の記憶は、彼らにとって思い出したくないもののはずだ。
だけどこの世界では、それらの記憶が全部…幸福なものに書き換わっている。
彼らを襲ったはずの辛い過去は、この世界には存在しないのだ。
…思い出したくない過去なら、初めから存在しない方が良いに決まってる。
「信じたくはないですね。羽久さんを疑うつもりじゃないですけど…。僕達にとっては、あなたが誰かに洗脳されて、そんな不可解なことを口にしているようにしか見えないです」
「…」
その場に崩れ落ちそうになるのを、俺は必死に堪えなければならなかった。
完全論破、とはこのことであった。
「俺は覚えてるよ。お前達が忘れても…俺はシルナを忘れない」
ずっと一緒に生きてきた。俺という人格が、この世に生まれたときから。
ルーデュニア聖王国を建国して、イーニシュフェルト魔導学院が創立されて。
ずっと俺は、シルナの隣にいた。
ずっと一緒に…大変なときも、苦しいときも辛いときも。
幸せなときも、心休まるときもずっと…一緒に生きてきたのだ。
シルナと一緒に過ごすその日々の中で、俺は仲間達と出会ってきた。
シュニィとも、イレースとも天音とも。
ナジュや令月やすぐりとも。
その他、たくさんの仲間達に出会ってきた。
その中心にいるのは、いつだってシルナだったはずだ。
俺は何も忘れてない。シルナと共に過ごしてきた全ての一分一秒、瞬間の積み重ねを。
確かに、俺の記憶の中にある。
この記憶だけは絶対に、誰にも奪わせない。
「居たんだ、確かに。この場所に。シルナ・エインリーが」
いつだって、俺達の中心に居たんだ。
ずっと一緒に、どんなことでも一緒に乗り越えてきたんだよ。
「本当に…居たんだよ…」
どうして忘れてしまうのか。
皆にとってシルナは…そんな簡単に忘れてしまう程度の存在だったのか?
「…嘘をついている、とは思ってませんよ。あなたがそう主張するってことは、あなたの中では、その記憶が正しいんでしょう」
ナジュは、静かにそう言った。
静かで穏やかで、しかしきっぱりとした口調で。
「ですが、僕達もあなたと同じように、確かな記憶があるんです。これまで生きてきた記憶。…その、シルナ・エインリーさんの存在しない世界で生きてきた記憶が」
「…!」
…シルナの、存在しない世界。
「極楽って程じゃないですけど、それなりに幸せな毎日を送ってきました。僕達のこの記憶を否定しないで欲しいです」
「…それは…」
「それに、あなたの記憶にある僕達の過去は…どうやら僕達にとって、かなり過酷なもののようですから」
…。
…そうだな。
イレースにとっても天音にとっても。
令月やすぐり、ナジュとリリスにとっても。
本来の記憶は、彼らにとって思い出したくないもののはずだ。
だけどこの世界では、それらの記憶が全部…幸福なものに書き換わっている。
彼らを襲ったはずの辛い過去は、この世界には存在しないのだ。
…思い出したくない過去なら、初めから存在しない方が良いに決まってる。
「信じたくはないですね。羽久さんを疑うつもりじゃないですけど…。僕達にとっては、あなたが誰かに洗脳されて、そんな不可解なことを口にしているようにしか見えないです」
「…」
その場に崩れ落ちそうになるのを、俺は必死に堪えなければならなかった。
完全論破、とはこのことであった。


