「信じてもらえないだろうとは思う。けど…お前なら分かるだろう?」
「…」
「俺が…嘘をついてる訳じゃないってことが」
タチの悪い冗談じゃない。
お前達を騙そうとしてるんじゃない。
俺はただ、自分の知っている真実を語っているだけだ。
皆怪訝そうな顔をするばかりで、信じてもらえないけど。
心を読めるナジュなら、俺が真実を語っていることを分かってくれるはずだ。
「そうですね…。…どうやら、嘘をついているんじゃないようですね」
「…あぁ」
ずっと本当のことを言ってるんだ、俺は。
この世界はおかしい。
シルナの存在がすっぽりと抜け落ち、おまけに…俺の仲間達が皆、それぞれが抱えている辛い過去が。
全部なかったことになって、彼らにとって幸福な過去に書き換えられている。
…都合の悪い事情、全部なかったように。
「確かに、羽久さんは嘘は言っていません。それは分かります…けど、それなら逆に、あなたが誰かに騙された、あるいは洗脳されているんじゃないかと疑うんですが」
何だと?
「俺は誰にも騙されてないし、洗脳だってされてない」
「騙されてる人は、誰だってそう言いますよ」
…まぁ、そうなんだけど。
騙されてる、洗脳されている自覚があるなら、それは騙されているとは言わない。
おかしいのは俺の方だって言うのか?
俺がおかしくて、ナジュ達の方が正しいって?
…そんなはず…。
「少なくとも僕は、あなたの知る僕の過去…非魔導師との戦争だとか、リリスと融合して云々だとか、全く身に覚えがありません」
「…」
「リリスも、覚えてませんよね?」
「うん…。私がナジュ君に会ってから、戦争なんて一度も起きたことないよ」
…リリスまで、そう言うのか。
「それに…あなたが随分固執しているらしい、シルナという人に関しても」
その名前を聞いて、俺は心臓が跳ねるような気分だった。
シルナ…シルナのことも、お前達は。
「全く記憶にありません」
はっきりと告げるナジュの言葉は、鈍器のように俺の頭を殴った。
…そんな…。
「あなたの中に残る記憶を読んでみたところ、どうやら僕達にとって重要な人物であったらしいようですが…。覚えてないんですよ、本当に」
「…」
「シュニィさんや天音さんから、そのシルナという人物の名前を聞いたこともありません」
…じゃあ、何だよ。
「俺が…おかしいって言うのか?」
おかしいのはどう考えても、シルナを覚えてないって主張するお前達の方なのに。
おかしいのは俺だって言うのか?
そんなの…そんなのって、ないだろう。
「…」
「俺が…嘘をついてる訳じゃないってことが」
タチの悪い冗談じゃない。
お前達を騙そうとしてるんじゃない。
俺はただ、自分の知っている真実を語っているだけだ。
皆怪訝そうな顔をするばかりで、信じてもらえないけど。
心を読めるナジュなら、俺が真実を語っていることを分かってくれるはずだ。
「そうですね…。…どうやら、嘘をついているんじゃないようですね」
「…あぁ」
ずっと本当のことを言ってるんだ、俺は。
この世界はおかしい。
シルナの存在がすっぽりと抜け落ち、おまけに…俺の仲間達が皆、それぞれが抱えている辛い過去が。
全部なかったことになって、彼らにとって幸福な過去に書き換えられている。
…都合の悪い事情、全部なかったように。
「確かに、羽久さんは嘘は言っていません。それは分かります…けど、それなら逆に、あなたが誰かに騙された、あるいは洗脳されているんじゃないかと疑うんですが」
何だと?
「俺は誰にも騙されてないし、洗脳だってされてない」
「騙されてる人は、誰だってそう言いますよ」
…まぁ、そうなんだけど。
騙されてる、洗脳されている自覚があるなら、それは騙されているとは言わない。
おかしいのは俺の方だって言うのか?
俺がおかしくて、ナジュ達の方が正しいって?
…そんなはず…。
「少なくとも僕は、あなたの知る僕の過去…非魔導師との戦争だとか、リリスと融合して云々だとか、全く身に覚えがありません」
「…」
「リリスも、覚えてませんよね?」
「うん…。私がナジュ君に会ってから、戦争なんて一度も起きたことないよ」
…リリスまで、そう言うのか。
「それに…あなたが随分固執しているらしい、シルナという人に関しても」
その名前を聞いて、俺は心臓が跳ねるような気分だった。
シルナ…シルナのことも、お前達は。
「全く記憶にありません」
はっきりと告げるナジュの言葉は、鈍器のように俺の頭を殴った。
…そんな…。
「あなたの中に残る記憶を読んでみたところ、どうやら僕達にとって重要な人物であったらしいようですが…。覚えてないんですよ、本当に」
「…」
「シュニィさんや天音さんから、そのシルナという人物の名前を聞いたこともありません」
…じゃあ、何だよ。
「俺が…おかしいって言うのか?」
おかしいのはどう考えても、シルナを覚えてないって主張するお前達の方なのに。
おかしいのは俺だって言うのか?
そんなの…そんなのって、ないだろう。


