「…分かってもらえたか?」
「…どうやら、僕を謀っている訳じゃないようですね」
そうだな。
むしろ、謀られてるのは俺だ。
「その様子だと、お前もシルナを知らないんだな?」
「えぇ、全く…。僕がこの学院にやって来たときから、イーニシュフェルト魔導学院の学院長は、現在のシュニィ・ルシェリートさんです」
「…」
やっぱり、ナジュもシルナのことを知らない…。
令月やすぐりのように、学院にやって来た経緯も、シルナとは全く関係ないのだろうか。
「ナジュ、お前は…どうしてイーニシュフェルト魔導学院に来たんだ?」
「僕が優れた召喚魔導師だということで、シュニィさんにスカウトされたんです。学院の教師として」
成程。…天音と一緒か。
本来ならナジュもまた、シルナの命を狙って学院にやって来たはずなんだがな。
生徒の振りをして、シルナに…不死身のその身を殺してもらう為に。
「学院に来る前は…?」
確か、魔導師と非魔導師の戦争に巻き込まれて、まだ子供だった頃からずっと戦わされていた。
本人の口から、そう聞いている。
そして…致命傷を負ったナジュは、リリスと融合することで命を繋ぎ止めた…。
その後、リリスに会いたくても会えない、死にたくても死ねない恐ろしい呪縛に囚われ。
自分を殺してくれる人間を求めて、狂気に満ちた苦しい旅に出ることになった…。
それが、俺の知るルーチェス・ナジュ・アンブローシアの半生だ。
…それなのに。
「…たちの悪い作り話ですね」
俺の心を読んだナジュは、眉をひそめてそう言った。
ナジュにとっては、不愉快極まりないだろうな。
だけど、これは作り話ではないんだ。
認めたくなかったとしても…これが、本当のナジュの過去なのだ。
「…どういうことなの?ナジュ君。この人、さっきから何言ってるの?」
リリスが怪訝な表情で、ナジュに尋ねた。
「何でもこの人によると、僕とリリスは引き離されて、現実で言葉を交わすことは出来ないそうです」
「…!何で?」
「戦争に巻き込まれて、僕が致命傷を負って…リリスが僕を救う為に僕と融合して、それで不死身の身になるとか…」
「何それ…?そんなことある訳ないじゃない。考えるだけで不愉快だわ」
…だろうな。
俺とて、こんな…ナジュの古傷を抉るようなことは言いたくない。
だけど、それが俺の知る本物の現実なのだ。
「私はナジュ君の隣にいるのよ。今までも、これからもずっと。不死身なのは私だけであって、ナジュ君じゃないわ」
「…あぁ、そうなんだろうな…。でも俺の知ってるナジュは、リリスとはもう…死ぬまで会えない。心の中で言葉を交わすことくらいしか出来ないんだ」
これほど仲の良い二人が、本来はずっと前に引き離されているなんて。
とてもじゃないが、こんなこと信じられないだろうな。
「…どうやら、僕を謀っている訳じゃないようですね」
そうだな。
むしろ、謀られてるのは俺だ。
「その様子だと、お前もシルナを知らないんだな?」
「えぇ、全く…。僕がこの学院にやって来たときから、イーニシュフェルト魔導学院の学院長は、現在のシュニィ・ルシェリートさんです」
「…」
やっぱり、ナジュもシルナのことを知らない…。
令月やすぐりのように、学院にやって来た経緯も、シルナとは全く関係ないのだろうか。
「ナジュ、お前は…どうしてイーニシュフェルト魔導学院に来たんだ?」
「僕が優れた召喚魔導師だということで、シュニィさんにスカウトされたんです。学院の教師として」
成程。…天音と一緒か。
本来ならナジュもまた、シルナの命を狙って学院にやって来たはずなんだがな。
生徒の振りをして、シルナに…不死身のその身を殺してもらう為に。
「学院に来る前は…?」
確か、魔導師と非魔導師の戦争に巻き込まれて、まだ子供だった頃からずっと戦わされていた。
本人の口から、そう聞いている。
そして…致命傷を負ったナジュは、リリスと融合することで命を繋ぎ止めた…。
その後、リリスに会いたくても会えない、死にたくても死ねない恐ろしい呪縛に囚われ。
自分を殺してくれる人間を求めて、狂気に満ちた苦しい旅に出ることになった…。
それが、俺の知るルーチェス・ナジュ・アンブローシアの半生だ。
…それなのに。
「…たちの悪い作り話ですね」
俺の心を読んだナジュは、眉をひそめてそう言った。
ナジュにとっては、不愉快極まりないだろうな。
だけど、これは作り話ではないんだ。
認めたくなかったとしても…これが、本当のナジュの過去なのだ。
「…どういうことなの?ナジュ君。この人、さっきから何言ってるの?」
リリスが怪訝な表情で、ナジュに尋ねた。
「何でもこの人によると、僕とリリスは引き離されて、現実で言葉を交わすことは出来ないそうです」
「…!何で?」
「戦争に巻き込まれて、僕が致命傷を負って…リリスが僕を救う為に僕と融合して、それで不死身の身になるとか…」
「何それ…?そんなことある訳ないじゃない。考えるだけで不愉快だわ」
…だろうな。
俺とて、こんな…ナジュの古傷を抉るようなことは言いたくない。
だけど、それが俺の知る本物の現実なのだ。
「私はナジュ君の隣にいるのよ。今までも、これからもずっと。不死身なのは私だけであって、ナジュ君じゃないわ」
「…あぁ、そうなんだろうな…。でも俺の知ってるナジュは、リリスとはもう…死ぬまで会えない。心の中で言葉を交わすことくらいしか出来ないんだ」
これほど仲の良い二人が、本来はずっと前に引き離されているなんて。
とてもじゃないが、こんなこと信じられないだろうな。


