稽古場の建物自体は、俺の記憶にあるものと変わらなかった。
中に置いてある魔導人形も、記憶と変わらない。
…しかし。
「はい、これで10戦10勝ですね」
「うぅ、強い…」
「全然勝てない…。五人がかりなのに…」
「全く歯が立たないよ…」
稽古場の床で、生徒達が五人、へたり込んでいた。
どうやら、先程までナジュと模擬戦をしていたようだ。
こてんぱんに叩きのめされ、五人共項垂れていた。
…そして、大人気なくも生徒達を叩きのめした張本人はと言うと。
「それはもう。僕とリリスに敵う人はいませんよ。ねぇ?」
「ふふ、勿論。私とナジュ君は、ずーっと一緒に生きてきたんだもん。簡単にはやられないよ」
得意げなドヤ顔をする、ナジュの後ろに。
ぴったりとくっついている、きらびやかな女性。
…ナジュやマシュリと違って、俺は彼女の姿を見たことはなかった。
ナジュの身体に彼女の人格が宿ったとき、何度か言葉を交わしたことはあるけれど。
彼女がどんな姿をして、どんな声をしているのか。
…まさか、こんなところで見る機会に恵まれるとはな。
「…あの子が、リリス…」
ナジュの契約召喚魔。冥界の女王と呼ばれる魔物。
遥か昔、ナジュの魂と融合することで肉体を失ったはずのリリスが。
今はちゃんと肉体を持って、ナジュの傍に寄り添っていた。
…常々、ナジュはリリスが美人だと口にしていたが。
あの言葉、ナジュの身内贔屓ではなかったようだな。
本当に美人だ。
ナジュってあれだな。…結構面食いだったんだな。
「召喚魔導師は、どんな魔物と契約するかだけが全てじゃありませんよ。やはり、契約した魔物との絆、信頼、こういったものが大切ですから」
と、ナジュは生徒達を諭した。
「そんなこと言っても…。冥界の女王と契約しているナジュ先生に言われても、説得力ないですよ…」
確かに。
「いやいや、とんでもない。リリスが冥界の女王じゃなくても、僕達なら無敵だったはずですよ。ねぇ?」
「当たり前だよ。私とナジュ君は、ベストカップルだもんね〜」
生徒の前だというのに、全く遠慮なくイチャイチャ。
…あいつら…。
イレースが顔をしかめる訳だよ。
他人のイチャイチャなんて、見ているだけでうんざりするが。
「ナジュ先生とリリスさんって、本当に仲良いよね」
「俺も、もっと契約召喚魔と仲良くならないと…」
イーニシュフェルト魔導学院の生徒達は、素直な良い子揃いなので。
イチャつくんなら他所でやれ、と唾を吐く生徒はいない。
言っても良いと思うけどな。「リア充爆発しろ!」くらいは。
こんなの一日中見せつけられたら、俺だったら半日足らずで音を上げそうだな。
中に置いてある魔導人形も、記憶と変わらない。
…しかし。
「はい、これで10戦10勝ですね」
「うぅ、強い…」
「全然勝てない…。五人がかりなのに…」
「全く歯が立たないよ…」
稽古場の床で、生徒達が五人、へたり込んでいた。
どうやら、先程までナジュと模擬戦をしていたようだ。
こてんぱんに叩きのめされ、五人共項垂れていた。
…そして、大人気なくも生徒達を叩きのめした張本人はと言うと。
「それはもう。僕とリリスに敵う人はいませんよ。ねぇ?」
「ふふ、勿論。私とナジュ君は、ずーっと一緒に生きてきたんだもん。簡単にはやられないよ」
得意げなドヤ顔をする、ナジュの後ろに。
ぴったりとくっついている、きらびやかな女性。
…ナジュやマシュリと違って、俺は彼女の姿を見たことはなかった。
ナジュの身体に彼女の人格が宿ったとき、何度か言葉を交わしたことはあるけれど。
彼女がどんな姿をして、どんな声をしているのか。
…まさか、こんなところで見る機会に恵まれるとはな。
「…あの子が、リリス…」
ナジュの契約召喚魔。冥界の女王と呼ばれる魔物。
遥か昔、ナジュの魂と融合することで肉体を失ったはずのリリスが。
今はちゃんと肉体を持って、ナジュの傍に寄り添っていた。
…常々、ナジュはリリスが美人だと口にしていたが。
あの言葉、ナジュの身内贔屓ではなかったようだな。
本当に美人だ。
ナジュってあれだな。…結構面食いだったんだな。
「召喚魔導師は、どんな魔物と契約するかだけが全てじゃありませんよ。やはり、契約した魔物との絆、信頼、こういったものが大切ですから」
と、ナジュは生徒達を諭した。
「そんなこと言っても…。冥界の女王と契約しているナジュ先生に言われても、説得力ないですよ…」
確かに。
「いやいや、とんでもない。リリスが冥界の女王じゃなくても、僕達なら無敵だったはずですよ。ねぇ?」
「当たり前だよ。私とナジュ君は、ベストカップルだもんね〜」
生徒の前だというのに、全く遠慮なくイチャイチャ。
…あいつら…。
イレースが顔をしかめる訳だよ。
他人のイチャイチャなんて、見ているだけでうんざりするが。
「ナジュ先生とリリスさんって、本当に仲良いよね」
「俺も、もっと契約召喚魔と仲良くならないと…」
イーニシュフェルト魔導学院の生徒達は、素直な良い子揃いなので。
イチャつくんなら他所でやれ、と唾を吐く生徒はいない。
言っても良いと思うけどな。「リア充爆発しろ!」くらいは。
こんなの一日中見せつけられたら、俺だったら半日足らずで音を上げそうだな。


