神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

しかし、シュニィ達の反応は。

「…決闘…って、何のことですか?」

シュニィは、不思議そうに首を傾げ。

「前時代的だね。決闘…一体何の話?」

「寝言は寝てから言ってもらえますか。誰と誰が決闘をするって?」

天音とイレースも、決闘のことなんて何も知らない様子。

嘘だろ…。さっきまで、ずっと一緒に…。

「ほら、ミナミノ共和国でさ…!アーリヤット皇国のナツキ様と決闘してただろ?一回戦はベリクリーデで、二回戦はマシュリが…!」

「ミナミノ共和国…?」

「アーリヤット皇国と決闘って…。本当に、一体何の話してるの?」

忘れてしまったって言うのか。

ずっと、あんなに…死闘を繰り広げていたじゃないか。

「戦争寸前まで行ったじゃないか…!港を包囲されて、最後通牒出されて…戦争を回避する為に、シルナが決闘を提案して…」

「…えぇと、ごめんなさい…。さっきから羽久さんがおっしゃっていることが、全然分からないんです」

と、シュニィは困ったような表情で言った。

「それに…アーリヤット皇国と決闘って、どういうことなんですか?戦争って…?…彼の国とルーデュニア聖王国は、昔からとても親密な関係じゃないですか」

…は?

親密?一方的に港に押し寄せて、大砲向けてきてる連中と?

「最近では…フユリ女王陛下の兄上である、ナツキ様がアーリヤット皇国の皇王になられてからは、特に親しくしているじゃありませんか。国家間の垣根を超えて、本当に仲良く…」

「はぁ…!?」

フユリ様とナツキ様の仲が良い?

ルーデュニア聖王国が、アーリヤット皇国と親しく親交している?

有り得ない。

ナツキ様は、フユリ様の話し合いの要請を散々無視して…。一方的に喧嘩吹っかけてきて…。

それに、何より…。

「条約…そう、条約は…!?」

「条約?…あぁ、最近行われたサミットで、アーリヤット皇国が発表した新しい世界条約のことですか?」

「そう、それだよ!あれを巡って、フユリ様とナツキ様が対立して…」

「え?何故対立するようなことに…?フユリ様も、積極的に条約締結に向けて、ナツキ様にご協力なさっていると聞いていますが…」

「…!?」

…本気、なのか?

まさかフユリ様は、世界魔導師保護条約とかいう、ナツキ様が考えた非人道的な条約に賛同して…。

心変わりでもしたって言うのか?

まさか、そんな。あの方に限ってそんなはず。

「分かってるのか…!?あんな条約が本当に締結されたら、世界で魔導師がどんな風に扱われるようになるか…」

俺達魔導師は便利な道具として、国の為に金で貸し借りされることになるんだぞ。

そんな非人道的な条約は絶対に許せないって、フユリ様だってそう言って…。

「えぇ…?良いじゃありませんか。だって、この条約が世界で可決されれば、反魔導師国家で虐げられている魔導師が保護され、権利を保証されることになるんですよ」

「はっ…?」

首を傾げたシュニィの説明に、俺は思わず耳を疑った。