えっ…。
「はい、これで良いですか?」
「ありがとうございます」
シュニィは引き出しから印鑑を取り出し、それを書類に押した。
…あの引き出しって。
いつもは…秘蔵の高級チョコの箱が、ぎっしり詰まっているはずだった。
それなのに、今、その引き出しには。
万年筆や印鑑やインクや、その他筆記用具が入っているだけで。
高級チョコレートの箱はおろか、いつもの甘ったるい匂いもしなかった。
そうだ。さっきからそれが違和感の原因なんだ。
イーニシュフェルト魔導学院の放課後の学院長室は、いつも。
甘ったるいチョコレートの匂いと、芳ばしい紅茶の香りが漂っている。
ティータイムだ何とか言って。
それなのに、今はチョコレートの匂いはおろか。
いつもの甘い匂いが、全くしない。
それを違和感に感じるのだから、いつもがおかしいんだろうな。
シュニィが当たり前のように、学院長室の引き出しから印鑑を取り出してるということに、まず違和感を覚えろよ。
これだって、だいぶおかしいぞ。
「なぁ、さっきからこれ…」
思わず口を挟みそうになった、そのとき。
「それから、こちらも。学院長のサインが必要なんですが」
イレースが、また別の書類をシュニィに手渡した。
「あぁ、はい。訓練用の魔導人形の発注ですか…分かりました。ではこの場で書きますね」
シュニィは当たり前のように、そう答え。
当たり前のように、引き出しから万年筆を取り出し。
当たり前のように、慣れた手付きで書類にサインした。
…。
「はい、これで良いですか?」
「えぇ、結構です」
「イレースさん、書類の管理、いつもありがとうございます。助かります」
「いいえ、こちらこそ。あなたはいつも話が早いですし、手際も良いですから。私も仕事がしやすいです」
「いえ、そんな…」
…イレースとシュニィが、めっちゃ親しげに話をしてる。
初めて見る光景。
いや、別に元々仲が悪かった訳じゃないけど…。
イーニシュフェルト魔導学院と聖魔騎士団、それぞれ別の組織に所属しているはずの二人が、妙に親しげなのがどうも気になると言うか…。
…それよりも、気になるのが。
「…なぁ、凄く素朴な疑問なんだけど、ちょっと良いか?」
俺は軽く片手を上げて、シュニィとイレースの間に割って入った。
「?何ですか」
「…学院長のサインが必要な書類に、何でシュニィが署名してるんだ…?」
それをしなければならないのは、別の人物のはずだろう?
「はい、これで良いですか?」
「ありがとうございます」
シュニィは引き出しから印鑑を取り出し、それを書類に押した。
…あの引き出しって。
いつもは…秘蔵の高級チョコの箱が、ぎっしり詰まっているはずだった。
それなのに、今、その引き出しには。
万年筆や印鑑やインクや、その他筆記用具が入っているだけで。
高級チョコレートの箱はおろか、いつもの甘ったるい匂いもしなかった。
そうだ。さっきからそれが違和感の原因なんだ。
イーニシュフェルト魔導学院の放課後の学院長室は、いつも。
甘ったるいチョコレートの匂いと、芳ばしい紅茶の香りが漂っている。
ティータイムだ何とか言って。
それなのに、今はチョコレートの匂いはおろか。
いつもの甘い匂いが、全くしない。
それを違和感に感じるのだから、いつもがおかしいんだろうな。
シュニィが当たり前のように、学院長室の引き出しから印鑑を取り出してるということに、まず違和感を覚えろよ。
これだって、だいぶおかしいぞ。
「なぁ、さっきからこれ…」
思わず口を挟みそうになった、そのとき。
「それから、こちらも。学院長のサインが必要なんですが」
イレースが、また別の書類をシュニィに手渡した。
「あぁ、はい。訓練用の魔導人形の発注ですか…分かりました。ではこの場で書きますね」
シュニィは当たり前のように、そう答え。
当たり前のように、引き出しから万年筆を取り出し。
当たり前のように、慣れた手付きで書類にサインした。
…。
「はい、これで良いですか?」
「えぇ、結構です」
「イレースさん、書類の管理、いつもありがとうございます。助かります」
「いいえ、こちらこそ。あなたはいつも話が早いですし、手際も良いですから。私も仕事がしやすいです」
「いえ、そんな…」
…イレースとシュニィが、めっちゃ親しげに話をしてる。
初めて見る光景。
いや、別に元々仲が悪かった訳じゃないけど…。
イーニシュフェルト魔導学院と聖魔騎士団、それぞれ別の組織に所属しているはずの二人が、妙に親しげなのがどうも気になると言うか…。
…それよりも、気になるのが。
「…なぁ、凄く素朴な疑問なんだけど、ちょっと良いか?」
俺は軽く片手を上げて、シュニィとイレースの間に割って入った。
「?何ですか」
「…学院長のサインが必要な書類に、何でシュニィが署名してるんだ…?」
それをしなければならないのは、別の人物のはずだろう?


