神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

…何で、シュニィがここに?

シュニィとは、確か別行動中だったような。

…って、別行動…?何のことだ?

俺、何やってたんだっけ…。

「あ、シュニィさん、良かった。丁度用があって…。これ、頼まれてた魔導教育委員会の資料」

「あら、ありがとうございます」

にこりと微笑んで、シュニィは天音から書類を受け取った。

…魔導教育委員会の資料を、何故シュニィが必要としてるんだろう?

「…?羽久さんは、どうされたんですか?」

シュニィはくるりとこちらを振り向き、首を傾げた。

…えーと…。

…これはこっちの台詞なんだけど。

「シュニィこそ…。…今日はどうしたんだ?」

「えっ?」

「何か用があるんだろう?」

シュニィが学院に来るときは、何かしら聖魔騎士団関係で用があるときだ。

聖魔騎士団には借りを作ってばかりだから、学院で協力出来ることがあるなら何でも…。

…しかし。

「よ、用ですか…?いえ、特には…。授業が終わったので、戻ってきただけなんですけど…」

「…?」

授業…って、何の授業?

「…えぇと、羽久さん…どうされたんですか?」

「さっきからこうなんだよ。様子が変で…。何だか、この部屋で寝てたし…」

「え…?どうして学院長室で…?」

シュニィと天音が、揃って怪訝そうな顔で言った。

…ごめん。俺も全然分かんない。

何だろう。根本的に話が噛み合ってないような…。

すると、今度はそこに。

「失礼しますよ」

書類の束を抱えたイレースが、学院長室にやって来た。

あ、イレースだ…。

「あら、イレースさん。いらっしゃい」

「これ、今日中に印鑑の必要な書類です」

「ありがとうございます。すぐに目を通しますね」

イレースはシュニィに書類の束を渡し。

シュニィはその書類を受け取って、その場で確認し始めた。

あまりにも自然に、いつものルーティーンのようにやってるけど。

…あれって、イーニシュフェルト魔導学院宛の郵便物だよな?

イレースがいつも、放課後になると学院長室に持ってくる奴…。

何故それをシュニィが受け取り、シュニィが読んでるんだ…?

…シュニィ、関係なくね?

「はい、分かりました。じゃあ、今判子を押しますね」

書類を読み終えたシュニィは、そう言って机の引き出しを開けた。

その引き出しの中身を見て、俺は思わず声を上げそうになった。