――――――…羽久もシルナもリリス様も、他の皆も。
僕が『変化』した、この姿に驚愕していた。
そうだろう。
僕はこれまで一度も、この姿に『変化』したことはなかった。
スクルトにさえ、このことは一度も話さなかった。
だって、これは禁忌だから。
決して許されない、禁忌の姿。
『変化』出来るのは、一生で一度きり。
人生で最初で最後の『変化』だ。
…正直、上手く『変化』出来るか自信がなかった。
でも、心配は要らなかったようだ。
僕の中に眠る血は、確かに神竜…バハムートのものだった。
身体の中に巡っていた毒が、バハムートの強い自己治癒力によって綺麗に浄化されていくのが分かった。
モヤのかかっていた頭の中が、少しずつ晴れていく。
今の自分なら何でも出来るという、強い万能感を感じる。
一生に一度切り、これで最後だからね。
せめて最後の晴れ舞台くらいは、無様を晒さずに終えたい。
すると。
「か…関係ないわ、そんなこと」
羽久達と同じく、間抜け顔を晒してポカンとしていたイルネが。
ようやく我に返って、焦燥の滲んだ声で言った。
「どうせ、紛い物の姿には変わりない。本物の…純血の竜族ではないわ」
その通りだよ。よく分かってるね。
さすが、研究者を気取るだけのことはある。
僕のこの姿は、所詮紛い物に変わりない。
純血の神竜族ではない。ただ、身体の一部に神竜の血を受け継いでいるだけのことだ。
だが、ほんの一滴でもその種族の血を継いでいるならば。
その姿に『変化』することは、僕なら容易い。
今の僕は、例え紛い物でも、紛れもなく神竜…バハムートそのものであった。
この罪の姿で、僕は自分の仲間を救う。
そして、実験台にされた憐れなオルトロスを、せめて安らかに眠らせる。
「こ、こうしてやる…!さぁ、行きなさい!」
イルネは4枚のカードを操り、それに連動して、改造オルトロスが動いた。
先程と同じく、僕の身体に鋭い牙を立てて噛みつこうとした。
…しかし。
「っ!嘘っ…!?」
神竜たるバハムートの鱗が、オルトロスの牙を通すはずがない。
逆にオルトロスの牙が砕け、牙の破片が床に散らばった。
当然、赤黒い粘液…イルネ特製のオルトロスの毒も、バハムートの鱗を通さない。
もう効かないよ、その作戦は。
「動いて、動きなさい!」
イルネは諦めずにカードを操り、オルトロスを動かそうとした。
…もう飽きたよ。
これ以上、恥の姿を晒すのはやめよう。
…お互いにね。
僕が『変化』した、この姿に驚愕していた。
そうだろう。
僕はこれまで一度も、この姿に『変化』したことはなかった。
スクルトにさえ、このことは一度も話さなかった。
だって、これは禁忌だから。
決して許されない、禁忌の姿。
『変化』出来るのは、一生で一度きり。
人生で最初で最後の『変化』だ。
…正直、上手く『変化』出来るか自信がなかった。
でも、心配は要らなかったようだ。
僕の中に眠る血は、確かに神竜…バハムートのものだった。
身体の中に巡っていた毒が、バハムートの強い自己治癒力によって綺麗に浄化されていくのが分かった。
モヤのかかっていた頭の中が、少しずつ晴れていく。
今の自分なら何でも出来るという、強い万能感を感じる。
一生に一度切り、これで最後だからね。
せめて最後の晴れ舞台くらいは、無様を晒さずに終えたい。
すると。
「か…関係ないわ、そんなこと」
羽久達と同じく、間抜け顔を晒してポカンとしていたイルネが。
ようやく我に返って、焦燥の滲んだ声で言った。
「どうせ、紛い物の姿には変わりない。本物の…純血の竜族ではないわ」
その通りだよ。よく分かってるね。
さすが、研究者を気取るだけのことはある。
僕のこの姿は、所詮紛い物に変わりない。
純血の神竜族ではない。ただ、身体の一部に神竜の血を受け継いでいるだけのことだ。
だが、ほんの一滴でもその種族の血を継いでいるならば。
その姿に『変化』することは、僕なら容易い。
今の僕は、例え紛い物でも、紛れもなく神竜…バハムートそのものであった。
この罪の姿で、僕は自分の仲間を救う。
そして、実験台にされた憐れなオルトロスを、せめて安らかに眠らせる。
「こ、こうしてやる…!さぁ、行きなさい!」
イルネは4枚のカードを操り、それに連動して、改造オルトロスが動いた。
先程と同じく、僕の身体に鋭い牙を立てて噛みつこうとした。
…しかし。
「っ!嘘っ…!?」
神竜たるバハムートの鱗が、オルトロスの牙を通すはずがない。
逆にオルトロスの牙が砕け、牙の破片が床に散らばった。
当然、赤黒い粘液…イルネ特製のオルトロスの毒も、バハムートの鱗を通さない。
もう効かないよ、その作戦は。
「動いて、動きなさい!」
イルネは諦めずにカードを操り、オルトロスを動かそうとした。
…もう飽きたよ。
これ以上、恥の姿を晒すのはやめよう。
…お互いにね。


