―――――――…目の前の光景が、信じられなかった。
「何…。何なんだ、あれは…」
すぐにでもマシュリの解毒をする為に、棄権を呼びかけた。
しかしマシュリは、棄権には応じなかった。
代わりに、見たこともない姿に『変化』していた。
「い、一体何なの…?」
さっきまで余裕綽々だったイルネの顔に、困惑と怯えが浮かんでいた。
その愉快な面を拝む余裕は、俺にはなかった。
俺もまたイルネと同じく、ただ目を真ん丸に開いて、目の前の光景を眺めていることしか出来なかったのだから。
マシュリが『変化』したのは、ケルベロスでも、いろりでも、ぬりかべでもペガサスでも一反木綿でもなかった。
鈍い銀色に光る、鎧のような全身の鱗。
長い尾と、額に生える二本の角。
大地を穿つ、鋭く大きな爪。
そして…鱗と同じ銀色の巨大な翼が、背中から生えていた。
何なんだ、この姿は。
これじゃあ、これじゃあまるで、マシュリは…。
「…神竜…」
神々しいその姿を見たシルナが、ポツリとそう呟いた。
「え…?」
神竜…神竜っていうのは…。
もしかして…冥界に住むと言われる、伝説の生き物…。
冥界の神とさえ呼ばれる竜族の中でも、ひときわ位が高いとされる種族。
ベルフェゴールやリリスより、更に高位の存在。
それが、神竜族。
何故マシュリが…その、神竜に…バハムートに…『変化』出来るんだ?
「…外側を取り繕ってるだけか?『変化』の力で…神竜の姿に化けてるだけで、中身はいつものケルベロス…」
「…いや、あれは…正真正銘、神竜です」
俺の問いに答えたのは、シルナではなくナジュだった。
「リリスがそう言ってます…。あれは本当に…正真正銘の神竜族です」
「…嘘だろ…」
俺は思わず、そう呟いてしまったが。
しかし。
「やべぇぞ、吐月。なんてこった…。あいつ、マジモンだ」
「ベルフェゴール…」
リリスに続いて、ベルフェゴールまでお墨付き。
冥界に住む魔物である彼らが、揃って太鼓判を押した。
目の前にいる「あの」マシュリが、本物の神竜族であると。
正真正銘、バハムートの血脈を呼び覚ました姿であると。
「…マシュリ…」
お前、本当は…一体、何者なんだ?
「何…。何なんだ、あれは…」
すぐにでもマシュリの解毒をする為に、棄権を呼びかけた。
しかしマシュリは、棄権には応じなかった。
代わりに、見たこともない姿に『変化』していた。
「い、一体何なの…?」
さっきまで余裕綽々だったイルネの顔に、困惑と怯えが浮かんでいた。
その愉快な面を拝む余裕は、俺にはなかった。
俺もまたイルネと同じく、ただ目を真ん丸に開いて、目の前の光景を眺めていることしか出来なかったのだから。
マシュリが『変化』したのは、ケルベロスでも、いろりでも、ぬりかべでもペガサスでも一反木綿でもなかった。
鈍い銀色に光る、鎧のような全身の鱗。
長い尾と、額に生える二本の角。
大地を穿つ、鋭く大きな爪。
そして…鱗と同じ銀色の巨大な翼が、背中から生えていた。
何なんだ、この姿は。
これじゃあ、これじゃあまるで、マシュリは…。
「…神竜…」
神々しいその姿を見たシルナが、ポツリとそう呟いた。
「え…?」
神竜…神竜っていうのは…。
もしかして…冥界に住むと言われる、伝説の生き物…。
冥界の神とさえ呼ばれる竜族の中でも、ひときわ位が高いとされる種族。
ベルフェゴールやリリスより、更に高位の存在。
それが、神竜族。
何故マシュリが…その、神竜に…バハムートに…『変化』出来るんだ?
「…外側を取り繕ってるだけか?『変化』の力で…神竜の姿に化けてるだけで、中身はいつものケルベロス…」
「…いや、あれは…正真正銘、神竜です」
俺の問いに答えたのは、シルナではなくナジュだった。
「リリスがそう言ってます…。あれは本当に…正真正銘の神竜族です」
「…嘘だろ…」
俺は思わず、そう呟いてしまったが。
しかし。
「やべぇぞ、吐月。なんてこった…。あいつ、マジモンだ」
「ベルフェゴール…」
リリスに続いて、ベルフェゴールまでお墨付き。
冥界に住む魔物である彼らが、揃って太鼓判を押した。
目の前にいる「あの」マシュリが、本物の神竜族であると。
正真正銘、バハムートの血脈を呼び覚ました姿であると。
「…マシュリ…」
お前、本当は…一体、何者なんだ?


