嘘だろ、おい。
あのボロボロの身体で、何であんな動きが出来るんだ。
「マシュリ…!」
まともに食らってしまったら、さすがのマシュリもただでは済まないんじゃないかと思った。
しかし、俊敏なのは敵だけではなかった。
土埃の中から、すんでのところで受け身を取って攻撃を防いだ、マシュリの姿が見えた。
…良かった。
向こうの不意打ちも、どうやら不発に終わったようだ。
これでおあいこだな。
しかし、オルトロスの一撃はこれだけに留まらない。
一体その操り人形の身体で、どうやって動いているのかと疑うほどだった。
先程のバーサーカーもかくやという、俊敏な動きでマシュリに迫った。
本来の、魔物としてのオルトロスを知らないから、比較は出来ないが。
元々のオルトロスより、明らかに膂力が強化されている。
あの趣味の悪い改造は、伊達ではないということだ。
怒涛の如く畳み掛ける攻撃を、何とか躱せているのは。
マシュリが、改造オルトロスと同じくらい俊敏だからだ。
俺とかシルナだったら、多分最初の一撃でやられてる。
半分ケルベロスであるマシュリと、ほぼ同等の動きが出来る。
これが…マッドサイエンティストの、自称最高傑作。
オルトロスが動く度に、縫い痕から赤黒い粘液がポタポタと滴るのが不気味だった。
まるで、血を流しながら戦っているかのようで。
更にその粘液から、吐き気を催すほどの強い異臭が立ち昇っていた。
鼻が捩れるどころじゃない。あまりの臭気に、気分が悪くなってきた。
見た目がアレだから、余計気分が悪い。
イルネを指名したナツキ様でさえ、顔をしかめて見ているくらいだ。
そうだというのに、この場で唯一得意満面なのは。
「ねぇ、ねぇ凄いでしょ?見た?」
この改造オルトロスを作り出した張本人である、イルネだけだった。
「見てよ、この動き!本物のオルトロスよりずっと強くて速くて、格好良いでしょ?」
これを格好良いと言えるなんて、お前の美的センスはやはりどうかしてるよ。
俺には、おぞましい異形の化け物にしか見えない。
これが魔物…オルトロスの成れの果てなんて。
オルトロスという種族を、侮辱してるにも程がある。
「くふふふ。私の手にかかったらこの通り。あなたも是非、私の研究室に来て欲しいわ。同じように素敵な姿にしてあげる!」
冗談じゃない。
誰が、望んでお前の実験体になどなるものか。
もう何度思ったか分からない。ふざけやがって、この女…!
「…それは遠慮しておくよ」
マシュリは冷静に、イルネにそう言い返した。
見た目は凄く落ち着いているが、腹の中では怒りと憎しみが渦巻いているのが分かった。
彼らの種族を…魔物という生き物を、これほどまでに侮辱されて。
腹が立たない訳がない。
すると。
「…そう。それは残念だわ」
イルネは、興味を失ったように冷えた声で言った。
「じゃあ…もう用済みだわ」
…用済みって。
それがどういう意味かと、聞く暇もなかった。
突如として飛びかかったオルトロスの牙が、避け損なったマシュリの片腕に食い込んだ。
あのボロボロの身体で、何であんな動きが出来るんだ。
「マシュリ…!」
まともに食らってしまったら、さすがのマシュリもただでは済まないんじゃないかと思った。
しかし、俊敏なのは敵だけではなかった。
土埃の中から、すんでのところで受け身を取って攻撃を防いだ、マシュリの姿が見えた。
…良かった。
向こうの不意打ちも、どうやら不発に終わったようだ。
これでおあいこだな。
しかし、オルトロスの一撃はこれだけに留まらない。
一体その操り人形の身体で、どうやって動いているのかと疑うほどだった。
先程のバーサーカーもかくやという、俊敏な動きでマシュリに迫った。
本来の、魔物としてのオルトロスを知らないから、比較は出来ないが。
元々のオルトロスより、明らかに膂力が強化されている。
あの趣味の悪い改造は、伊達ではないということだ。
怒涛の如く畳み掛ける攻撃を、何とか躱せているのは。
マシュリが、改造オルトロスと同じくらい俊敏だからだ。
俺とかシルナだったら、多分最初の一撃でやられてる。
半分ケルベロスであるマシュリと、ほぼ同等の動きが出来る。
これが…マッドサイエンティストの、自称最高傑作。
オルトロスが動く度に、縫い痕から赤黒い粘液がポタポタと滴るのが不気味だった。
まるで、血を流しながら戦っているかのようで。
更にその粘液から、吐き気を催すほどの強い異臭が立ち昇っていた。
鼻が捩れるどころじゃない。あまりの臭気に、気分が悪くなってきた。
見た目がアレだから、余計気分が悪い。
イルネを指名したナツキ様でさえ、顔をしかめて見ているくらいだ。
そうだというのに、この場で唯一得意満面なのは。
「ねぇ、ねぇ凄いでしょ?見た?」
この改造オルトロスを作り出した張本人である、イルネだけだった。
「見てよ、この動き!本物のオルトロスよりずっと強くて速くて、格好良いでしょ?」
これを格好良いと言えるなんて、お前の美的センスはやはりどうかしてるよ。
俺には、おぞましい異形の化け物にしか見えない。
これが魔物…オルトロスの成れの果てなんて。
オルトロスという種族を、侮辱してるにも程がある。
「くふふふ。私の手にかかったらこの通り。あなたも是非、私の研究室に来て欲しいわ。同じように素敵な姿にしてあげる!」
冗談じゃない。
誰が、望んでお前の実験体になどなるものか。
もう何度思ったか分からない。ふざけやがって、この女…!
「…それは遠慮しておくよ」
マシュリは冷静に、イルネにそう言い返した。
見た目は凄く落ち着いているが、腹の中では怒りと憎しみが渦巻いているのが分かった。
彼らの種族を…魔物という生き物を、これほどまでに侮辱されて。
腹が立たない訳がない。
すると。
「…そう。それは残念だわ」
イルネは、興味を失ったように冷えた声で言った。
「じゃあ…もう用済みだわ」
…用済みって。
それがどういう意味かと、聞く暇もなかった。
突如として飛びかかったオルトロスの牙が、避け損なったマシュリの片腕に食い込んだ。


