聞いてもいないのに、イルネはその理由を教えてくれた。
オルトロスマリオネットが、どうやって作られたものなのかを。
「私の研究テーマの一つなのよ。魔物の研究は」
「…研究…テーマ?」
「そう。魔物の力を行使する召喚魔導師って、とても強いでしょ?だから私、羨ましくって。でも私には、召喚魔導師の素質がない。冥界から魔物を呼ぶどころか、魔物の魔力を行使するなんてとても出来ない」
召喚魔導師の素質は、生まれながらに備え持つものだ。
生まれつき、魔物に好かれやすい体質がある者だけが、召喚魔導師になる資格を持つ。
今俺の隣にいる、吐月なんかが良い例だ。
「でも、だからって諦めるのは勿体無いでしょ?」
いや、素質がないんだったら、素直に諦めろよ。
召喚魔導師じゃなくても、他の魔法を極めれば良い。
それなのに、イルネの思考回路は、常人のものとはかけ離れていた。
「どうやったら、召喚魔導師じゃなくても魔物の力を扱えるようになるのか?私はそれを研究した。あなたが『HOME』にいた頃から、私ずっと気になってたの。魔物の生態」
「…」
「あなたは良いサンプルだった。魔物でありながら、召喚魔導師という触媒なしに、現世で普通に暮らしてるんだもの。それで私、気づいたの」
自分の研究テーマを、皆に聞いてもらえるのが余程嬉しいのか。
イルネはうきうきと、夢を語る少女のように饒舌だった。
…とても、無邪気な少女の夢とは思えない内容だが。
「あなたと、純粋な魔物との違いは何か?そう、人間の血よ。身体の中に人間の血と、魔物の血の両方が流れてる」
人間とケルベロスのキメラだからな。マシュリは。
「これだと思ったわ。人間の血を半分注ぎ込んで、より『現世に近い生き物』にすれば、召喚魔導師なしに、現世で魔物としての力を扱えるんだって」
「…それは…」
…理論上…理論上は間違ってないのかもしれないが。
でも、それが分かったからって、どう…、
「だから私、試してみたくて。国中から三流の召喚魔導師を集めて、そいつらの契約してる魔物を実験体に使うことにしたの」
相変わらず、にっこりと微笑んで。
イルネは、とんでもなく恐ろしいことを口にした。
「大変だったのよ。どれだけ脅しても、召喚魔導師は『実験の為に魔物を呼ぶことは出来ない』って拒否するし」
当たり前だろ。
召喚魔導師にとって、自分の契約している召喚魔は、家族にも等しい存在だ。
大事なパートナーであり、かけがえのない友人でもある。
そんな大切な相棒を、どうして実験体に提供出来るものか。
…それなのに。
「でもまぁ、それは良いの。そいつの家族を連れてきて、目の前で拷問してやったら、大人しく言うことを聞くようになったから」
「…」
…なんてことを。
この女、正気か…?
「そこまでして、やっと魔物を呼ばせて、早速そいつを拘束して…人間の血を身体の中に注いで、魔物と人間の血を混ぜたの」
…ドリンクバーで、メロンソーダとコーラを混ぜてみました、みたいな軽いノリで。
魔物と人間の血を混ぜるなんて…そんな恐ろしい真似を、どうして。
つまり、後天的にマシュリみたいな…人間と魔物のキメラを作り出そうとしたってことなのか?
オルトロスマリオネットが、どうやって作られたものなのかを。
「私の研究テーマの一つなのよ。魔物の研究は」
「…研究…テーマ?」
「そう。魔物の力を行使する召喚魔導師って、とても強いでしょ?だから私、羨ましくって。でも私には、召喚魔導師の素質がない。冥界から魔物を呼ぶどころか、魔物の魔力を行使するなんてとても出来ない」
召喚魔導師の素質は、生まれながらに備え持つものだ。
生まれつき、魔物に好かれやすい体質がある者だけが、召喚魔導師になる資格を持つ。
今俺の隣にいる、吐月なんかが良い例だ。
「でも、だからって諦めるのは勿体無いでしょ?」
いや、素質がないんだったら、素直に諦めろよ。
召喚魔導師じゃなくても、他の魔法を極めれば良い。
それなのに、イルネの思考回路は、常人のものとはかけ離れていた。
「どうやったら、召喚魔導師じゃなくても魔物の力を扱えるようになるのか?私はそれを研究した。あなたが『HOME』にいた頃から、私ずっと気になってたの。魔物の生態」
「…」
「あなたは良いサンプルだった。魔物でありながら、召喚魔導師という触媒なしに、現世で普通に暮らしてるんだもの。それで私、気づいたの」
自分の研究テーマを、皆に聞いてもらえるのが余程嬉しいのか。
イルネはうきうきと、夢を語る少女のように饒舌だった。
…とても、無邪気な少女の夢とは思えない内容だが。
「あなたと、純粋な魔物との違いは何か?そう、人間の血よ。身体の中に人間の血と、魔物の血の両方が流れてる」
人間とケルベロスのキメラだからな。マシュリは。
「これだと思ったわ。人間の血を半分注ぎ込んで、より『現世に近い生き物』にすれば、召喚魔導師なしに、現世で魔物としての力を扱えるんだって」
「…それは…」
…理論上…理論上は間違ってないのかもしれないが。
でも、それが分かったからって、どう…、
「だから私、試してみたくて。国中から三流の召喚魔導師を集めて、そいつらの契約してる魔物を実験体に使うことにしたの」
相変わらず、にっこりと微笑んで。
イルネは、とんでもなく恐ろしいことを口にした。
「大変だったのよ。どれだけ脅しても、召喚魔導師は『実験の為に魔物を呼ぶことは出来ない』って拒否するし」
当たり前だろ。
召喚魔導師にとって、自分の契約している召喚魔は、家族にも等しい存在だ。
大事なパートナーであり、かけがえのない友人でもある。
そんな大切な相棒を、どうして実験体に提供出来るものか。
…それなのに。
「でもまぁ、それは良いの。そいつの家族を連れてきて、目の前で拷問してやったら、大人しく言うことを聞くようになったから」
「…」
…なんてことを。
この女、正気か…?
「そこまでして、やっと魔物を呼ばせて、早速そいつを拘束して…人間の血を身体の中に注いで、魔物と人間の血を混ぜたの」
…ドリンクバーで、メロンソーダとコーラを混ぜてみました、みたいな軽いノリで。
魔物と人間の血を混ぜるなんて…そんな恐ろしい真似を、どうして。
つまり、後天的にマシュリみたいな…人間と魔物のキメラを作り出そうとしたってことなのか?


