自分を差し置いて、他でもない自分の妹が王位を継ぐことが決まって。
次に、ナツキ様がどうしたか。
それは…。
「それで、何でそのおーじ様は他所の国の王様になったの?侵略?」
物騒なことを言うなよ。
侵略じゃあない。
「結婚したんだよ、すぐり君。ナツキ様は王室を出て、婿入りしたんだ」
シルナが説明した。
それまで縁談の話はあっても、のらりくらりと躱し続けていたナツキ様だったが。
フユリ様が国王に指名されるなり、ナツキ様は驚くほどあっさり、縁談の話に頷いた。
そして、その婿入り先こそ…。
「その人、誰と結婚したの?」
「アーリヤット皇国の皇女様だよ」
国内にも、ナツキ様との縁談の話はいくらでもあった。
名のある貴族のお嬢さんや、王室関係者のお嬢さんとの縁談が。
しかしナツキ様は、国内の縁談を全て断った。
代わりに彼が選んだのは、自分がお嫁さんをもらうのではなく、他の女性のもとに婿入りすることだった。
その婿入り先が、アーリヤット皇国王室の皇女。
現在のナツキ様の妻である女性だ。
「別の国の王女様と結婚したってこと?」
「そうだよ」
「何で?アーリヤット皇国とは仲悪いんでしょ。仲が悪いのに、何で結婚したの」
「あの当時は、両国の関係は友好だったんだよ。今みたいに睨み合ってるようなことはなかったんだ」
むしろ、ルーデュニア聖王国一番の友好国と言っても過言ではなかった。
国交も盛んだったし、王室同士も仲が良かった。
アーリヤット皇室の皇子や皇女が、お忍びでルーデュニア聖王国に旅行しに来る…なんてことも、当たり前のように行われていた。
逆もまた然り。
…今となっては儚いな。
「だから、縁談の話も持ち上がってた。それまでは渋っていたけど、ナツキ様は突然、アーリヤット皇室の皇女のもとに婿入りすると決めたんだ」
「ふーん。逃げたんだね」
…令月。
その通りなんだけど。本当にそうなんだけど…。
そんなあっさり言うなよ…。
ナツキ様にとっては、きっと苦渋の選択だったと思うぞ。
でも、自分が王位を継げない国に、これ以上残りたくなかったのだろう。
だから縁談を利用して、逃げるようにルーデュニア聖王国から出ていった…。
「それで、今の皇王はそのナツキって人になったんだ」
「婿入りしたとはいえさー。他所の国出身なのに皇王になれるんだ?変なの」
そうだな、すぐり。
そのせいで、ナツキ様が皇王の座を継ぐと決まったとき、アーリヤット皇国国内ではちょっと揉めたって聞いたな。
でも…今となってはナツキ様は、誰もが認めるアーリヤット皇王になっている。
「アーリヤット皇室の決まりでは、男性が皇王を継ぐと決まっててね。女性は皇王にはなれないんだ」
「何それ。差別じゃん」
そういう国もあるんだよ。差別とかじゃなくてな。
「ナツキ様が婿入りしたときは、アーリヤット皇国の次の皇王は、皇室の長男だと思われていた。それから次男もいたから、その二人が皇王の候補だったんだけど…」
つまり、ナツキ様が結婚した皇女様のお兄さんだな。
そのお兄さん達が、皇王の座を継ぐものと思われていたのだが…。
「先に長男が、次に次男が相次いで急死。そのせいで、皇位を継ぐ正統な血縁の男子がいなくなってね。婿養子のナツキ様にお鉢が回ってきたんだ」
「ふーん。陰謀だね」
…だからな、令月。
そういうこと、思ってても口に出すんじゃない。
次に、ナツキ様がどうしたか。
それは…。
「それで、何でそのおーじ様は他所の国の王様になったの?侵略?」
物騒なことを言うなよ。
侵略じゃあない。
「結婚したんだよ、すぐり君。ナツキ様は王室を出て、婿入りしたんだ」
シルナが説明した。
それまで縁談の話はあっても、のらりくらりと躱し続けていたナツキ様だったが。
フユリ様が国王に指名されるなり、ナツキ様は驚くほどあっさり、縁談の話に頷いた。
そして、その婿入り先こそ…。
「その人、誰と結婚したの?」
「アーリヤット皇国の皇女様だよ」
国内にも、ナツキ様との縁談の話はいくらでもあった。
名のある貴族のお嬢さんや、王室関係者のお嬢さんとの縁談が。
しかしナツキ様は、国内の縁談を全て断った。
代わりに彼が選んだのは、自分がお嫁さんをもらうのではなく、他の女性のもとに婿入りすることだった。
その婿入り先が、アーリヤット皇国王室の皇女。
現在のナツキ様の妻である女性だ。
「別の国の王女様と結婚したってこと?」
「そうだよ」
「何で?アーリヤット皇国とは仲悪いんでしょ。仲が悪いのに、何で結婚したの」
「あの当時は、両国の関係は友好だったんだよ。今みたいに睨み合ってるようなことはなかったんだ」
むしろ、ルーデュニア聖王国一番の友好国と言っても過言ではなかった。
国交も盛んだったし、王室同士も仲が良かった。
アーリヤット皇室の皇子や皇女が、お忍びでルーデュニア聖王国に旅行しに来る…なんてことも、当たり前のように行われていた。
逆もまた然り。
…今となっては儚いな。
「だから、縁談の話も持ち上がってた。それまでは渋っていたけど、ナツキ様は突然、アーリヤット皇室の皇女のもとに婿入りすると決めたんだ」
「ふーん。逃げたんだね」
…令月。
その通りなんだけど。本当にそうなんだけど…。
そんなあっさり言うなよ…。
ナツキ様にとっては、きっと苦渋の選択だったと思うぞ。
でも、自分が王位を継げない国に、これ以上残りたくなかったのだろう。
だから縁談を利用して、逃げるようにルーデュニア聖王国から出ていった…。
「それで、今の皇王はそのナツキって人になったんだ」
「婿入りしたとはいえさー。他所の国出身なのに皇王になれるんだ?変なの」
そうだな、すぐり。
そのせいで、ナツキ様が皇王の座を継ぐと決まったとき、アーリヤット皇国国内ではちょっと揉めたって聞いたな。
でも…今となってはナツキ様は、誰もが認めるアーリヤット皇王になっている。
「アーリヤット皇室の決まりでは、男性が皇王を継ぐと決まっててね。女性は皇王にはなれないんだ」
「何それ。差別じゃん」
そういう国もあるんだよ。差別とかじゃなくてな。
「ナツキ様が婿入りしたときは、アーリヤット皇国の次の皇王は、皇室の長男だと思われていた。それから次男もいたから、その二人が皇王の候補だったんだけど…」
つまり、ナツキ様が結婚した皇女様のお兄さんだな。
そのお兄さん達が、皇王の座を継ぐものと思われていたのだが…。
「先に長男が、次に次男が相次いで急死。そのせいで、皇位を継ぐ正統な血縁の男子がいなくなってね。婿養子のナツキ様にお鉢が回ってきたんだ」
「ふーん。陰謀だね」
…だからな、令月。
そういうこと、思ってても口に出すんじゃない。


