「令月君、すぐり君も。ルーデュニア聖王国の女王様…フユリ様のことは知ってる?」
「知ってるよ。ルーデュニア聖王国の偉い人でしょ」
まぁそうなんだけど。
覚え方が雑。
「フユリ様には、お兄さんがいるんだよ。ナツキ様っていうお兄さんが。それで…」
「そう。そのナツキっていう兄が、アーリヤット皇国の皇王なんだ?」
「…まだ言ってないのに、何で分かるの…?」
「何となく、話の流れからそうなのかなと思って」
最早、シルナの解説は必要ないな。
ちょっと情報を与えたら、自分達で勝手に推測してやがる。
「何でルーデュニア聖王国の女王の兄が、他所の国の王様になってるの?」
「色々あったんだけど…。ルーデュニア聖王国の王室はね、生まれた順番じゃなくて、兄弟の中で一番優秀だとか認められた王子、王女だけが王位を継ぐことが出来るんだ」
王族も実力主義って訳だ。
ちょっと変わってるよな。
大抵は長子相続…。一番最初に生まれた長男か長女に王位継承権があるが。
ルーデュニア聖王国の王室では、全ての王子、王女の中で最も相応しいと認められた者が、次の国王になることが出来る。
生まれた順番は関係ないのだ。
「フユリ様には、フユリ様を含めて四人の兄弟がいたんだ」
「その中で一番優秀だったのが、今のフユリ様ってことだね?」
「そう。彼女が一番聡明で、人徳のある方だったから。先代の国王に、次期国王はフユリ様にすると指名されたんだ」
ルーデュニア王室の伝統に則って、何も問題なくフユリ様が次期女王として認められた。
…はずだった。
「フユリ様の他のご兄弟も、この決定に納得された…。…けど、フユリ様のお兄さん…ナツキ様だけは、納得出来なかったんだ」
「自分の方が王様に相応しいのに、何で妹が選ばれたんだー!…って?」
「…そんな感じ」
「ふーん。それで喧嘩することになったんだ」
令月とすぐりが言うと、非常に軽い感じに聞こえるが。
当事者であるフユリ様やナツキ様にとっては、そんな簡単な問題じゃなかったはずだ。
「フユリ様は確かに、王位を継ぐに相応しい素晴らしい王女様だった。でも…ナツキ様も、努力という点では負けてなかったんだよ」
「努力?」
「うん。ナツキ様には生まれながらの天才的なカリスマはなかった。でも…その代わり努力家な方だったよ」
「だけど、王様にはなれなかったんだね」
…努力だけで、国は守れないからな。
「フユリ様は、そんなナツキ様の努力を遥かに上回る、生まれながらの天才的なカリスマってものがあったんだ。だからどうしても…ナツキ様はフユリ様の影に隠れてしまって…」
「ふーん…?でもそれは仕方ないね。努力で天才には勝てないよ。俺もそうだったからねー、よく分かるよ」
と、すぐりが言った。
おい、お前。それは自分と令月のことを比べてるんじゃないだろうな。
お前が凡人だと言うなら、この世の人間は皆凡人以下だよ。
「結局、王位を継いだのはフユリ様だった。けど、ナツキ様にはそれが耐えられなかった」
フユリ様の他の兄弟は、生まれながらの才能を持ったフユリ様に王位を譲り、別の方面からフユリ様を手助けすることを選んだ。
しかしナツキ様には、それが出来なかった。
なまじ、フユリ様が生まれるまではナツキ様が次期国王候補として期待されていたから、簡単には諦めきれなかったのだろう。
そして、そのナツキ様の嫉妬心が発端で。
アーリヤット皇国とルーデュニア聖王国の、現在の関係が出来上がってしまったのである。
「知ってるよ。ルーデュニア聖王国の偉い人でしょ」
まぁそうなんだけど。
覚え方が雑。
「フユリ様には、お兄さんがいるんだよ。ナツキ様っていうお兄さんが。それで…」
「そう。そのナツキっていう兄が、アーリヤット皇国の皇王なんだ?」
「…まだ言ってないのに、何で分かるの…?」
「何となく、話の流れからそうなのかなと思って」
最早、シルナの解説は必要ないな。
ちょっと情報を与えたら、自分達で勝手に推測してやがる。
「何でルーデュニア聖王国の女王の兄が、他所の国の王様になってるの?」
「色々あったんだけど…。ルーデュニア聖王国の王室はね、生まれた順番じゃなくて、兄弟の中で一番優秀だとか認められた王子、王女だけが王位を継ぐことが出来るんだ」
王族も実力主義って訳だ。
ちょっと変わってるよな。
大抵は長子相続…。一番最初に生まれた長男か長女に王位継承権があるが。
ルーデュニア聖王国の王室では、全ての王子、王女の中で最も相応しいと認められた者が、次の国王になることが出来る。
生まれた順番は関係ないのだ。
「フユリ様には、フユリ様を含めて四人の兄弟がいたんだ」
「その中で一番優秀だったのが、今のフユリ様ってことだね?」
「そう。彼女が一番聡明で、人徳のある方だったから。先代の国王に、次期国王はフユリ様にすると指名されたんだ」
ルーデュニア王室の伝統に則って、何も問題なくフユリ様が次期女王として認められた。
…はずだった。
「フユリ様の他のご兄弟も、この決定に納得された…。…けど、フユリ様のお兄さん…ナツキ様だけは、納得出来なかったんだ」
「自分の方が王様に相応しいのに、何で妹が選ばれたんだー!…って?」
「…そんな感じ」
「ふーん。それで喧嘩することになったんだ」
令月とすぐりが言うと、非常に軽い感じに聞こえるが。
当事者であるフユリ様やナツキ様にとっては、そんな簡単な問題じゃなかったはずだ。
「フユリ様は確かに、王位を継ぐに相応しい素晴らしい王女様だった。でも…ナツキ様も、努力という点では負けてなかったんだよ」
「努力?」
「うん。ナツキ様には生まれながらの天才的なカリスマはなかった。でも…その代わり努力家な方だったよ」
「だけど、王様にはなれなかったんだね」
…努力だけで、国は守れないからな。
「フユリ様は、そんなナツキ様の努力を遥かに上回る、生まれながらの天才的なカリスマってものがあったんだ。だからどうしても…ナツキ様はフユリ様の影に隠れてしまって…」
「ふーん…?でもそれは仕方ないね。努力で天才には勝てないよ。俺もそうだったからねー、よく分かるよ」
と、すぐりが言った。
おい、お前。それは自分と令月のことを比べてるんじゃないだろうな。
お前が凡人だと言うなら、この世の人間は皆凡人以下だよ。
「結局、王位を継いだのはフユリ様だった。けど、ナツキ様にはそれが耐えられなかった」
フユリ様の他の兄弟は、生まれながらの才能を持ったフユリ様に王位を譲り、別の方面からフユリ様を手助けすることを選んだ。
しかしナツキ様には、それが出来なかった。
なまじ、フユリ様が生まれるまではナツキ様が次期国王候補として期待されていたから、簡単には諦めきれなかったのだろう。
そして、そのナツキ様の嫉妬心が発端で。
アーリヤット皇国とルーデュニア聖王国の、現在の関係が出来上がってしまったのである。


