決闘開始から、まだ一分足らず。
それなのに、俺は冷や汗をかいて、汗でじっとりした拳を握り締めていた。
とてもじゃないが、見ていられない。
目を逸らす訳にはいかないから、一秒たりとも目を背けはしなかったけど。
でも、許されるものなら、今すぐにでも瞼を閉じたいくらいだった。
とても見ていられない。こんな試合。
ベリクリーデは今のところ、怒涛の斧攻撃を全て躱していた。
その身のこなしは、さすがと言ったところか。
何度も「ヤバい、当たる!」と思った瞬間があったが。
その度にベリクリーデは、すんでのところで闘牛士のように身を躱し、逃げ続けていた。
今にも当たるんじゃないかと、俺はヒヤヒヤしている。
直撃しなくても、掠っただけで大怪我することは必至。
この激しい攻撃を、いつまで避け続けられるのか…。
「おいおい!拍子抜けだなぁおい」
斧を振り回していたバニシンが、大袈裟に腰に手を当てて怒鳴った。
「偉そうに息巻いてた癖に、避けるだけか?あぁ?」
「…」
ベリクリーデは答えない。
ただじっと、バニシンを見つめていた。
「それとも、何か作戦でも企んでるのか?反撃してこいよ。逃げるだけじゃつまらないだろ?」
「…」
バニシンに挑発されても、ベリクリーデはやはり答えなかった。
「へへ…。この女、何を考えてるんだか…。何か企んでやがるのか、それともビビって声が出ないだけか…」
バニシンは舌舐めずりをして、巨斧を構え直した。
「…いずれにせよ、両手足を潰してから聞けば良いよなぁ!」
そう叫ぶなり、更にバニシンの動きが速くなった。
こいつ、まだ…これ以上速く動けるのか?
この動きについていけなくなったベリクリーデが、いつ巨斧の攻撃に当たるのかと。
俺は、思わず息が詰まりそうだった。
「ほらほらぁ!逃げ回るだけじゃ勝てないぞ!?」
喜々として叫びながら、巨斧を振り回すバニシンと。
そんなバニシンの攻撃を、すんでのところで全て躱し、なおも競技場を逃げ回るベリクリーデ。
「…」
俺は気になって、ジュリスの方にちらりと目を向けた。
相棒が必死に戦っている様を見て、俺以上に緊張しているに違いないジュリスに。
ジュリスは無言で、一瞬たりとも目を逸らすことなく。
むしろ、一分一秒を脳裏に焼き付けようとでもするかのように、じっと決闘の様子を見つめていた。
…今何考えてるんだろうな、ジュリス。
俺より遥かに辛いのは、言うまでもない。
代わってあげられるものなら、今すぐにでも代わってあげたいと思っているに違いなかった。
それなのに、俺は冷や汗をかいて、汗でじっとりした拳を握り締めていた。
とてもじゃないが、見ていられない。
目を逸らす訳にはいかないから、一秒たりとも目を背けはしなかったけど。
でも、許されるものなら、今すぐにでも瞼を閉じたいくらいだった。
とても見ていられない。こんな試合。
ベリクリーデは今のところ、怒涛の斧攻撃を全て躱していた。
その身のこなしは、さすがと言ったところか。
何度も「ヤバい、当たる!」と思った瞬間があったが。
その度にベリクリーデは、すんでのところで闘牛士のように身を躱し、逃げ続けていた。
今にも当たるんじゃないかと、俺はヒヤヒヤしている。
直撃しなくても、掠っただけで大怪我することは必至。
この激しい攻撃を、いつまで避け続けられるのか…。
「おいおい!拍子抜けだなぁおい」
斧を振り回していたバニシンが、大袈裟に腰に手を当てて怒鳴った。
「偉そうに息巻いてた癖に、避けるだけか?あぁ?」
「…」
ベリクリーデは答えない。
ただじっと、バニシンを見つめていた。
「それとも、何か作戦でも企んでるのか?反撃してこいよ。逃げるだけじゃつまらないだろ?」
「…」
バニシンに挑発されても、ベリクリーデはやはり答えなかった。
「へへ…。この女、何を考えてるんだか…。何か企んでやがるのか、それともビビって声が出ないだけか…」
バニシンは舌舐めずりをして、巨斧を構え直した。
「…いずれにせよ、両手足を潰してから聞けば良いよなぁ!」
そう叫ぶなり、更にバニシンの動きが速くなった。
こいつ、まだ…これ以上速く動けるのか?
この動きについていけなくなったベリクリーデが、いつ巨斧の攻撃に当たるのかと。
俺は、思わず息が詰まりそうだった。
「ほらほらぁ!逃げ回るだけじゃ勝てないぞ!?」
喜々として叫びながら、巨斧を振り回すバニシンと。
そんなバニシンの攻撃を、すんでのところで全て躱し、なおも競技場を逃げ回るベリクリーデ。
「…」
俺は気になって、ジュリスの方にちらりと目を向けた。
相棒が必死に戦っている様を見て、俺以上に緊張しているに違いないジュリスに。
ジュリスは無言で、一瞬たりとも目を逸らすことなく。
むしろ、一分一秒を脳裏に焼き付けようとでもするかのように、じっと決闘の様子を見つめていた。
…今何考えてるんだろうな、ジュリス。
俺より遥かに辛いのは、言うまでもない。
代わってあげられるものなら、今すぐにでも代わってあげたいと思っているに違いなかった。


