…すると。
「皇王の犬…ということは、あなたは私達にとって敵ですか」
あまりにもストレートに。
イレースは、身も蓋もない質問をした。
「はい敵です」と答えられてしまったら、再びこの場で喧嘩しなきゃならなくなるな。
「皇王に忠誠を誓ってるんでしょう。イーニシュフェルト魔導学院に潜り込んだのも、皇王の命令なんですね?」
「いや、ちょ、イレースちゃん。そんな…」
イレースのあまりにストレートな質問を、シルナが諌めようとしたが…。
イレースはむしろ、そんなシルナをキッと睨んで答えた。
「皇王の勅命を帯びてここにいるのだとしたら、この男は危険人物以外の何者でもありませんよ。これがどういうことか分かってるんですか?」
「…それは…」
「アーリヤット皇国の皇王が、ルーデュニア聖王国魔導社会の要とも言えるイーニシュフェルト魔導学院と、その教師や学生を攻撃するよう命令を出した。このことが国民に知られたら、一大ニュースだと思いますが」
「…うん、そうだね」
シルナでさえ、イレースのこの意見に頷いた。
…俺もそう思う。
もし本当に、アーリヤット皇国の皇王がルディシアを派遣して。
「イーニシュフェルト魔導学院と、その教師と生徒を攻撃しろ」と命令したのなら。
それは…アーリヤット皇国とルーデュニア聖王国の、ただでさえ緊迫した関係を刺激するには充分だ。
非常に宜しくない。
「ただでさえ今は、ジャマ王国との関係も良くないというのに…。アーリヤット皇国がジャマ王国と手を組むようなことがあったら、目も当てられませんよ」
おまけにイレースは、そんな最悪のケースさえ想定していた。
…予想したくない事態だな。
さすがに危険な匂いがぷんぷんするから、そうなったら戦うより逃げることを選んだ方が賢明な気がする。
まぁ、俺達は聖魔騎士団の所属だから、逃げるに逃げられないけどな。
…すると、そのとき。
床下から、バリッ、バキッ、と歪な音がした。
木の板を無理矢理へし折ったみたいな音だ。
と同時に、床板が蓋のようにパカッ、と開き。
床下から、見覚えのある顔が現れた。
「…令月…」
「来たよ」
…。
…来たよ、じゃねぇんだよ。
これには、シルナもびびって目を白黒させていた。
俺もびびったよ。
何処かに潜んで、一緒に話を聞いてるだろうとは思ってたけど…。
床下にいたのか。そうかよ。
「俺もいるよー」
当然のように、令月の後ろからすぐりが顔を覗かせた。
そうだろうと思ったよ。
二人の姿を見たイレースのこめかみに、ぴきぴきと血管が浮くのが見えた。
あーあ…。
とりあえずお前ら、学院に帰ったら説教な。
聖魔騎士団隊舎の客間の床を、勝手に引っ剥がすんじゃない。
「皇王の犬…ということは、あなたは私達にとって敵ですか」
あまりにもストレートに。
イレースは、身も蓋もない質問をした。
「はい敵です」と答えられてしまったら、再びこの場で喧嘩しなきゃならなくなるな。
「皇王に忠誠を誓ってるんでしょう。イーニシュフェルト魔導学院に潜り込んだのも、皇王の命令なんですね?」
「いや、ちょ、イレースちゃん。そんな…」
イレースのあまりにストレートな質問を、シルナが諌めようとしたが…。
イレースはむしろ、そんなシルナをキッと睨んで答えた。
「皇王の勅命を帯びてここにいるのだとしたら、この男は危険人物以外の何者でもありませんよ。これがどういうことか分かってるんですか?」
「…それは…」
「アーリヤット皇国の皇王が、ルーデュニア聖王国魔導社会の要とも言えるイーニシュフェルト魔導学院と、その教師や学生を攻撃するよう命令を出した。このことが国民に知られたら、一大ニュースだと思いますが」
「…うん、そうだね」
シルナでさえ、イレースのこの意見に頷いた。
…俺もそう思う。
もし本当に、アーリヤット皇国の皇王がルディシアを派遣して。
「イーニシュフェルト魔導学院と、その教師と生徒を攻撃しろ」と命令したのなら。
それは…アーリヤット皇国とルーデュニア聖王国の、ただでさえ緊迫した関係を刺激するには充分だ。
非常に宜しくない。
「ただでさえ今は、ジャマ王国との関係も良くないというのに…。アーリヤット皇国がジャマ王国と手を組むようなことがあったら、目も当てられませんよ」
おまけにイレースは、そんな最悪のケースさえ想定していた。
…予想したくない事態だな。
さすがに危険な匂いがぷんぷんするから、そうなったら戦うより逃げることを選んだ方が賢明な気がする。
まぁ、俺達は聖魔騎士団の所属だから、逃げるに逃げられないけどな。
…すると、そのとき。
床下から、バリッ、バキッ、と歪な音がした。
木の板を無理矢理へし折ったみたいな音だ。
と同時に、床板が蓋のようにパカッ、と開き。
床下から、見覚えのある顔が現れた。
「…令月…」
「来たよ」
…。
…来たよ、じゃねぇんだよ。
これには、シルナもびびって目を白黒させていた。
俺もびびったよ。
何処かに潜んで、一緒に話を聞いてるだろうとは思ってたけど…。
床下にいたのか。そうかよ。
「俺もいるよー」
当然のように、令月の後ろからすぐりが顔を覗かせた。
そうだろうと思ったよ。
二人の姿を見たイレースのこめかみに、ぴきぴきと血管が浮くのが見えた。
あーあ…。
とりあえずお前ら、学院に帰ったら説教な。
聖魔騎士団隊舎の客間の床を、勝手に引っ剥がすんじゃない。


