神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

マシュリがルディシアを探しに行っている間。

聖魔騎士団にも事情を話して、シルナが代表に選んだメンバーを連れてきてもらった。

吐月、キュレム、ルイーシュ、ベリクリーデ、ジュリスの五人である。

「…ごめんね、五人共。こんなことを頼んでしまって…」

まずは、シルナの謝罪から。

すると。

「全くですよ。決闘だって。何で俺がそんな面倒臭いことしなくちゃいけないんですか?腕相撲で決めれば?」

深々と溜め息をつき、不満そうな顔を全く隠す様子のないルイーシュである。

お前はいつも通りで、ブレない奴だな。

俺も腕相撲で決めれば良いと思うけど、ナツキ様が納得してくれないんだよ。

「あのな、ルイーシュ…。一応これでも、学院長は真剣に考えて選んでくれてるんだぞ?」

不満を隠さないルイーシュを、キュレムが睨んだ。

「選んでくれたって何ですか。面倒事背負わされて、ぶっちゃけ迷惑だなってキュレムさんも思ってる癖に」

「馬鹿野郎、それを言うんじゃねぇ。余計面倒臭くなるだろ!」

やっぱりキュレムも面倒臭いと思ってるんだな。

素直な奴ら。

「…本当、ごめんね…」

超申し訳無さそうに頭を下げるシルナ。

「…やめよう、仲間内で言い争うのは」

吐月が、そんなシルナとキュレム達の間に割って入った。

「責任を押しつけてる場合じゃない。それに、元はと言えばアーリヤット皇国が喧嘩を売ってきたのが原因なんだから。学院長に責任はないよ」

…冷静だな、吐月は。

シルナを庇ってやってくれてありがとう。

「それに、これは国の命運を懸けた戦いなんだ。聖魔騎士団魔導部隊大隊長の仕事と責任だよ」

「…分かってるっての。だから、ちゃんと来たじゃん。役目くらいは果たすよ」

吐月にたしなめられて、キュレムは溜め息混じりにそう答えた。

「なぁ、ルイーシュ。アーリヤット皇国なんてさっさと蹴散らしてこようぜ」

「はぁ、気が進まない…。…キュレムさんが代表に選ばれてなかったら、俺も逃げ出したのになぁ」

シルナもそれが分かってるから、キュレムとルイーシュの両名を指名したんだと思うよ。

お前達も、俺とシルナと同じで、互いに一蓮托生だから。

キュレムが行くならルイーシュも行くし、ルイーシュが行くならキュレムも行くだろう。

…それから。

「ジュリス、ベリクリーデも。お前達も悪かったな。決闘に付き合わせて…」

「ううん、良いよ。決闘なんて初めてだ。楽しみだね、ジュリス」 

「…何を期待してるのか知らないが、そんな楽しいもんじゃないぞ…?」

ジュリスとベリクリーデは、こんなときでも、貫禄の通常運転であった。

大物の器だよ。特にベリクリーデな。