神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

…数時間後。

シュニィとクュルナからフユリ様に、俺達の話し合いの結果を伝えてもらった。

ナツキ様が提示してきた、超絶不利な条件も伝えた。

それでも決闘を引き受けるという俺達の決断を、フユリ様は黙って頷いて聞いていたという。

俺達と同じく、覚悟を決めてくれたということなのだろう。

祖国の命運を、この決闘に託す覚悟を。

…国民同士で血みどろの争いするよりは、まだマシだということだな。

そして、そのような決断を下した張本人であるシルナは。

「…もぐもぐ…」

「…」

深夜の学院長室で、ぽやーんとした顔をして、高級チョコを摘まんでいた。

…昼間、めっちゃ頭使ったから。

糖分を補給してるんだろうか?

イレースやシュニィ達が帰って、学院長室に俺と二人きりになったと思ったら。

こうやって、いきなりチョコを貪り始めたんだよ。

ちなみにこれ、二箱目だから。

無言で、そして無心でもぐもぐ食ってる。

今何考えてるんだろうなぁ。

「もぐもぐ…もぐ?」

あ、二箱目完食した。

箱の中がからっぽになって、ようやく満足したかと思いきや。

シルナはからっぽの箱を、ゴミ箱に捨て。

更に引き出しから、三箱目の高級チョコを取り出した。

何個ストックあるんだよ、あれ。

高級チョコなのに、ファミリーパックのひとくちチョコ感覚で食べてやがる。

チョコに失礼だろ。もうちょっと味わって食べてやれよ。

それでも、一箱ウン千円のチョコなんだぞ。

「もぐもぐ…」

…また一心不乱に食ってるし。

このままじゃあ、朝まで何箱食べるか分からんな。

虫歯になるぞ。

…そろそろ、声を書けるべきだろうな。

三箱目のチョコがなくなる前に。

「…シルナ、おいシルナ」

「もぐもぐ…」

「こら。チョコ食うのやめて、話を聞けって」

「もぐ…もぐ?」

あ、こっち向いた。

ようやく、俺がいることに気づいたらしいな。

「…羽久…」

「…おぉ」

「…チョコ、要る?」

すすす、とチョコの箱を勧めてきた。

別にチョコ欲しくて、気づいて欲しかった訳じゃねーから。