神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

更に。

「天音君とナジュ君も、イレースちゃんを支えてあげて」

シルナは今度は、ナジュと天音にそう言った。

「君達も学院に必要だから」

「そんな…。それを言うなら、学院長先生だって…」

「…決闘しても死なないっていうのは、結構重要だと思いますけど。そのカードを捨てるんですか?」

天音とナジュがそれぞれ言った。

そうだな。学院長のシルナも、イーニシュフェルト魔導学院には必要だ。

それに、決闘の最中に何があっても、決して死なない不死身のナジュが決闘に出れば、それなりに有利かもしれない。

…けど。

「私にもしものことがあっても、君達がいてくれたら学院は安泰だって、そう思える保証が欲しい」

「…学院長先生…」

「ナジュ君も。不死身だから何しても良い訳じゃないって、いつも言ってるでしょ?」

「…それはそうですけど…」

…それにな。

「向こうにはヴァルシーナがいるんだぞ。ナジュの不死身と読心魔法は、初見だとチート級のステータスだが、ナジュが決闘に出てくる可能性は、ナツキ様だって考慮に入れてるはずだ」

「…あー…。それはあるかもしれませんね」

ナツキ様は、こちらにナジュがいることを知っているのだ。

不死身読心魔法使いが決闘に出てくるかも、と。

なら、それなりの対策は立ててくるはずだ。

不死身の相手に、どのような対策を立てるのか知らないけど。

ナジュは確かにチートだけど、あれはあくまで初見殺しみたいなものであって。

ついでに言うと、ナジュに頼って無理させたら、またリリスに怒られるだろ。

大人しくしておいてくれ。天音と一緒にな。

そして、このイーニシュフェルト魔導学院を守ってくれ。

その方が俺にとっても、シルナにとっても嬉しいから。