聖魔騎士団、魔導部隊隊舎。
ネクロマンサー、ルディシア・ウルリーケは、その一室に囚われていた。
…いや、囚われていた…という言い方は語弊があるな。
閉じ込めているとは名ばかりで、部屋の鍵は内側から開けられる仕様。
窓の鍵も好きに開けられるし、鉄格子も嵌っていない。
何せここは、魔導部隊に客が来たときに案内する、客間の一室なのだから。
人を閉じ込める為の場所ではない。
虜囚のはずのルディシアが、これじゃあお客様待遇である。
しかし、そんなことだろうと思った。
あのシュニィが、例え虜囚と言えども、無抵抗の人間を鉄格子の中に閉じ込めるはずがない。
精々、部屋の前に一人、お目付け役の魔導師を立てているだけだった。
そして、そのお目付け役というのが。
「…よぉ、お前らやっと来たのか」
「…ジュリス…」
聖魔騎士団魔導部隊大隊長の一人、ジュリス・レティーナだった。
成程。
ジュリスが部屋の前で見張ってんなら、確かに部屋に鍵をかける必要はないかもな。
ジュリスにかかったら、死体を操るネクロマンサーと言えども、簡単に手出しは出来まい。
「そろそろ来る頃だと思ってたよ」
と、ジュリス。
「悪いな…。シュニィの許可は取ってある。中に入れてくれないか?」
「あぁ、良いぜ。俺も門番役はうんざりしてたところなんだ」
だろうな。
「ったく、シュニィの奴俺に見張りを頼みやがって…。こうして俺が目を離してる間に、ベリクリーデがまた何か悪さしてないか、気が気じゃな、」
と、天を仰ぐようにしてジュリスが言いかけた。
丁度そのとき。
青ざめた顔をした、魔導隊士の一人が駆けてきた。
「じゅ、ジュリス隊長!大変です。ベリクリーデ隊長が…」
「ほらな!そろそろ来る頃だと思ってたぜ」
本当、ジャストタイミングだったな。
噂をすれば…という奴かもしれない。
「今度は何をしたんだ?いや、何をしようとしてるんだ?あのアホは」
「そ、それがその…野生の猫を追い回していて…」
!?
「何がやりたいんだ…?」
「猫のソーセージを作るんだと言って…!」
猫のソーセージって何だよ?
猫を掻っ捌いて、自家製ソーセージにするつもりか。
ベリクリーデ、ご乱心。
「あの馬鹿…!何考えてんだ?動物愛護団体的なところを怒らせるようなことはするなって、何回言ったら分かるんだ…!?」
前科があるのか?
「今は何とか猫も逃げていますが、いつ捕まるか分かりません。すぐに助けてください…!」
「よし、分かったすぐに行く。…お前ら、ルディシアと会うつもりなら、気を引き締めて臨めよ。…おかしなことはしないと思うが」
ジュリスはくるりとこちらを向いて、そう言った。
分かってるよ。
「こっちは良いから、ベリクリーデのところに行ってやれよ」
「あぁ。…ったくあの馬鹿は…!」
悪態をつきながら、ジュリスはベリクリーデのもとにすっ飛んでいった。
…苦労してんなぁ、ジュリス…。
ネクロマンサー、ルディシア・ウルリーケは、その一室に囚われていた。
…いや、囚われていた…という言い方は語弊があるな。
閉じ込めているとは名ばかりで、部屋の鍵は内側から開けられる仕様。
窓の鍵も好きに開けられるし、鉄格子も嵌っていない。
何せここは、魔導部隊に客が来たときに案内する、客間の一室なのだから。
人を閉じ込める為の場所ではない。
虜囚のはずのルディシアが、これじゃあお客様待遇である。
しかし、そんなことだろうと思った。
あのシュニィが、例え虜囚と言えども、無抵抗の人間を鉄格子の中に閉じ込めるはずがない。
精々、部屋の前に一人、お目付け役の魔導師を立てているだけだった。
そして、そのお目付け役というのが。
「…よぉ、お前らやっと来たのか」
「…ジュリス…」
聖魔騎士団魔導部隊大隊長の一人、ジュリス・レティーナだった。
成程。
ジュリスが部屋の前で見張ってんなら、確かに部屋に鍵をかける必要はないかもな。
ジュリスにかかったら、死体を操るネクロマンサーと言えども、簡単に手出しは出来まい。
「そろそろ来る頃だと思ってたよ」
と、ジュリス。
「悪いな…。シュニィの許可は取ってある。中に入れてくれないか?」
「あぁ、良いぜ。俺も門番役はうんざりしてたところなんだ」
だろうな。
「ったく、シュニィの奴俺に見張りを頼みやがって…。こうして俺が目を離してる間に、ベリクリーデがまた何か悪さしてないか、気が気じゃな、」
と、天を仰ぐようにしてジュリスが言いかけた。
丁度そのとき。
青ざめた顔をした、魔導隊士の一人が駆けてきた。
「じゅ、ジュリス隊長!大変です。ベリクリーデ隊長が…」
「ほらな!そろそろ来る頃だと思ってたぜ」
本当、ジャストタイミングだったな。
噂をすれば…という奴かもしれない。
「今度は何をしたんだ?いや、何をしようとしてるんだ?あのアホは」
「そ、それがその…野生の猫を追い回していて…」
!?
「何がやりたいんだ…?」
「猫のソーセージを作るんだと言って…!」
猫のソーセージって何だよ?
猫を掻っ捌いて、自家製ソーセージにするつもりか。
ベリクリーデ、ご乱心。
「あの馬鹿…!何考えてんだ?動物愛護団体的なところを怒らせるようなことはするなって、何回言ったら分かるんだ…!?」
前科があるのか?
「今は何とか猫も逃げていますが、いつ捕まるか分かりません。すぐに助けてください…!」
「よし、分かったすぐに行く。…お前ら、ルディシアと会うつもりなら、気を引き締めて臨めよ。…おかしなことはしないと思うが」
ジュリスはくるりとこちらを向いて、そう言った。
分かってるよ。
「こっちは良いから、ベリクリーデのところに行ってやれよ」
「あぁ。…ったくあの馬鹿は…!」
悪態をつきながら、ジュリスはベリクリーデのもとにすっ飛んでいった。
…苦労してんなぁ、ジュリス…。


