神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

―――――――…令月、すぐり、マシュリの三人が、ルーデュニア聖王国行きの輸出船にこっそり潜入し。

ルーデュニア聖王国に向けて、帰国の途についていたそのとき。 

イーニシュフェルト魔導学院では。






「…よしっ、手土産はこれでよし、っと」

「…」

シルナは、秘蔵の高級チョコレートを紙袋に詰めて、満足そうに頷いていた。

…あのさぁ。

こいつ、今がふざけて良い状況じゃないってこと、分かってるか?

分かってないのかもしれない。…もう歳だから。

これから、親しい友人のもとに遊びに行くとでも思ってるんだろう。歳だから。

「何だか、羽久が私に失礼なこと考える気がする…!」

それは奇遇だな。

「俺はシルナが、フユリ様に失礼なことしようとしてる気がするよ」

「え、何でっ?私何かした?」

何かした?じゃなくて、これからしようとしてるんだよ。

女王から依頼を受けて、直々に謁見しに行こうとしているのに。

呑気にチョコの手土産なんて、選んでる場合じゃないだろうが。