神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

「さて…まずはどうしようか?」

…そうだね。

早速、アーリヤット皇王のいる皇宮に忍び込んで、皇王ナツキの顔を拝もう…。

…と、言いたいところだけど。

その前に。

「もう少し、情報を集めたい。今現在この国がどういう状況なのか。ルーデュニアのことも」

「そーだね。4日も船に閉じ込められてたからねー」

この4日間の間に、世界の情勢がどのように変化したのか。

それを確認しておきたい。

例の世界会議…サミットは、予定通り閉幕したのだろうか?

ルーデュニア聖王国の女王フユリは、ミナミノ共和国から帰れたのだろうか?

未だに、ルーデュニア聖王国は世界の悪者扱いなのだろうか。 

ないとは思うけど、アーリヤット皇王が「やっぱり全部濡れ衣です。済みませんでした」って、自分の発言を撤回してるかもしれないし。

まぁ、それは本当にないと思うけど。

「じゃあ、新聞でも手に入れようか」

通貨はないから、買うことは出来ない。

…スッても良いんだけど…。

…後で怒られたら嫌だから、図書館にでも行って読もうかな。

「君は顔が割れてるかもしれないから、しばらく猫の姿になって、顔隠しといて」

「分かった」

マシュリはいろりに姿を変え、僕の肩の上に乗った。

さすがに猫の顔までは割れてないだろう。…多分。

「図書館って、何処にあるのか知ってる?」

「皇立図書館で良いなら…。確か、この先の大通りの向こうにあったはずだよ」

猫の姿になっても、言葉は普通に話せる。便利。

じゃあ、早速図書館に行ってみようか。

時間を無駄にするという選択肢はないよね。当然だけど。