「良いか、マシュリ…。一度しか言わないから、よく聞けよ」
「何を?」
良いから、黙って聞け。
「例えルーデュニア聖王国が世界の悪者にされようと、俺達は仲間を売るような真似はしない。覚えておけ」
「…」
このときのマシュリは、猫の癖に、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして。
驚きのあまり、目を見開いていた。
何驚いてるんだよ。当たり前のことだろ。
ルーデュニア聖王国を守る為に、俺達がお前にアーリヤット皇国に帰れ、とでも言うと思ってたのか?
見くびるなよ。そんな卑怯な真似をしたら、俺達もナツキ様と同類じゃないか。
それに、フユリ様だって許さないはずだ。
ルーデュニア聖王国に亡命した時点で、マシュリは立派なルーデュニア聖王国の一国民だ。
自国の民を守る為に、自国の民を犠牲にするなど。
あのフユリ様が、それをお許しになるはずがない。
だからお前は、大人しくこの国にいれば良いんだよ。
分かったか。この馬鹿。
大体お前がいなくなったら、イーニシュフェルト魔導学院の生徒達と。
ついでに、お前を仲間として迎え入れてくれたらしい、三丁目の野良猫会合の猫ちゃんが、悲しむだろうが。
あと、俺もな。
だからお前はここにいろ。それ以外の選択肢は認めない。
「それに、マシュリさん。あなたがいくら真実を証言しようとしても…ナツキ様がそれを許さないでしょう」
俺に続いて、シュニィもそう言ってマシュリを引き留めた。
そう、もっと言ってやってくれ。
「人質の返還や謝罪の要求は、あくまでルーデュニア聖王国を悪者にして、条約締結を促す口実のようなものです」
「…口実…」
「はい。例えルディシアさんやマシュリさんが、アーリヤット皇国に帰ったとしても…。あなた方の語る真実を揉み消し、ナツキ様はご自分の都合の良いように証言を変えてしまうでしょう」
人質を返せと要求していながら、本当に二人がアーリヤット皇国に返されたら、困るのはナツキ様なのだ。
ルディシアとマシュリは、自分達が人質じゃないことも、ましてや。
アーリヤット皇国から、親善の為に派遣された外交大使などではないことを知っている。
二人が本当に戻ってきたら、ナツキ様は自分の嘘がバレてしまう恐れがある。
ルディシアもマシュリも、決して発言を許されないだろう。
役に立たない者は無価値、と平然と言ってのける人なのだ。
証言を揉み消されるどころか、死人に口なしとばかりに…二人を手に掛ける可能性だってある。
あまりに危険だ。二人をアーリヤット皇国に返すのは。
更に、シュニィは続けて言った。
「それに…私は、マシュリさんにこの国にいて欲しいです。私達の大切な仲間ですから」
「…」
「だから、ここに居てください。アーリヤット皇国には戻らないでください」
その通り。よく言ったシュニィ。
するとマシュリは、そんなシュニィの熱意に押されたのか。
「…分かった」
と、頷いた。
言ったな?分かったって言ったんだから、約束は守れよ。
お前が勝手に出ていくようなことがあったら、アーリヤット皇国に押し掛けてでも連れて帰るからな。
「何を?」
良いから、黙って聞け。
「例えルーデュニア聖王国が世界の悪者にされようと、俺達は仲間を売るような真似はしない。覚えておけ」
「…」
このときのマシュリは、猫の癖に、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をして。
驚きのあまり、目を見開いていた。
何驚いてるんだよ。当たり前のことだろ。
ルーデュニア聖王国を守る為に、俺達がお前にアーリヤット皇国に帰れ、とでも言うと思ってたのか?
見くびるなよ。そんな卑怯な真似をしたら、俺達もナツキ様と同類じゃないか。
それに、フユリ様だって許さないはずだ。
ルーデュニア聖王国に亡命した時点で、マシュリは立派なルーデュニア聖王国の一国民だ。
自国の民を守る為に、自国の民を犠牲にするなど。
あのフユリ様が、それをお許しになるはずがない。
だからお前は、大人しくこの国にいれば良いんだよ。
分かったか。この馬鹿。
大体お前がいなくなったら、イーニシュフェルト魔導学院の生徒達と。
ついでに、お前を仲間として迎え入れてくれたらしい、三丁目の野良猫会合の猫ちゃんが、悲しむだろうが。
あと、俺もな。
だからお前はここにいろ。それ以外の選択肢は認めない。
「それに、マシュリさん。あなたがいくら真実を証言しようとしても…ナツキ様がそれを許さないでしょう」
俺に続いて、シュニィもそう言ってマシュリを引き留めた。
そう、もっと言ってやってくれ。
「人質の返還や謝罪の要求は、あくまでルーデュニア聖王国を悪者にして、条約締結を促す口実のようなものです」
「…口実…」
「はい。例えルディシアさんやマシュリさんが、アーリヤット皇国に帰ったとしても…。あなた方の語る真実を揉み消し、ナツキ様はご自分の都合の良いように証言を変えてしまうでしょう」
人質を返せと要求していながら、本当に二人がアーリヤット皇国に返されたら、困るのはナツキ様なのだ。
ルディシアとマシュリは、自分達が人質じゃないことも、ましてや。
アーリヤット皇国から、親善の為に派遣された外交大使などではないことを知っている。
二人が本当に戻ってきたら、ナツキ様は自分の嘘がバレてしまう恐れがある。
ルディシアもマシュリも、決して発言を許されないだろう。
役に立たない者は無価値、と平然と言ってのける人なのだ。
証言を揉み消されるどころか、死人に口なしとばかりに…二人を手に掛ける可能性だってある。
あまりに危険だ。二人をアーリヤット皇国に返すのは。
更に、シュニィは続けて言った。
「それに…私は、マシュリさんにこの国にいて欲しいです。私達の大切な仲間ですから」
「…」
「だから、ここに居てください。アーリヤット皇国には戻らないでください」
その通り。よく言ったシュニィ。
するとマシュリは、そんなシュニィの熱意に押されたのか。
「…分かった」
と、頷いた。
言ったな?分かったって言ったんだから、約束は守れよ。
お前が勝手に出ていくようなことがあったら、アーリヤット皇国に押し掛けてでも連れて帰るからな。


