「アーリヤット皇国は、人質にされたお二人の身柄の即時返還と、それに対するルーデュニア聖王国からの正式な謝罪、及び前述の世界魔導師保護条約の即時締結を要求しています」
「…」
改めて整理してみると、凄いな。
いかにナツキ様が大それたことを企んでいるか、よく分かる。
恐らくこの計画を実行する為に、随分下準備をしたのだろう。
なんと狡猾な真似をしてくれる。
サミットの場に、フユリ様がいてくれれば…。
このような好き勝手、絶対にさせなかっただろうに。
人質の返還と謝罪だと?
よくもまぁ、いけしゃあしゃあと。謝るべきは自分達の方だろ。
「…不味いね。このままルーデュニア聖王国が悪者扱いで、アーリヤット皇国が中心となって、その条約が結ばれてしまったら…」
…そうなったときのことなんて、考えたくもないな。
国家間で、魔導師が便利な家電製品のように貸し借りされる世界なんて…。
魔導師に対する人権侵害も甚だしい。
おまけに、これまで魔導師に対して寛容だった、ルーデュニア聖王国を始めとする親魔導師国家の数々。
これらはあっと言う間に発言権をなくし、否が応でも、反魔導師国家への方針転換を余儀なくされるだろう。
そうなったら…これまで自分の祖国で居心地良く暮らしていた、全ての魔導師が…。
大人しく国家所有の家電製品になるか、あるいはかつてのマシュリのように…居場所を求めて放浪の旅に出なければならなくなる。
俺もそうなるかもしれない。
それは…嫌だな。
何だかんだ、俺は自分という人格が生まれたときから、ずっとルーデュニア聖王国にいたから。
シルナと共に、変遷を眺めてきた…この国に愛着がある。
ルーデュニア聖王国が世界の波に飲まれ、反魔導師国家に変貌する様は、見たくない。
…すると。
「…僕がアーリヤット皇国に帰るよ」
険しい顔で沈黙していたマシュリが、不意に口を開いたかと思うと。
とんでもないことを言い出した。
何だって?アーリヤット皇国に帰る?
「マシュリ…。お前、何言ってるんだ?」
「『人質』の僕が返還されたら、少しはルーデュニア聖王国も立場が良くなるはずだよ」
馬鹿な。
返還を要求されている人質が、自らの意志でアーリヤット皇国に帰れば。
ルーデュニア聖王国に対する、世間のバッシングも収まるだろうと?
「僕も証言するよ。人質にされていたなんて嘘だって。外交大使だったなんて嘘だって。正直に…『HOME』の軍人として派遣されたって言う」
「…」
「そうすれば、アーリヤット皇王の証言に不信感が生まれる」
…その為に、お前は戻りたくもない場所に帰るって?
冗談じゃない。そんなこと…させてたまるものか。
「…」
改めて整理してみると、凄いな。
いかにナツキ様が大それたことを企んでいるか、よく分かる。
恐らくこの計画を実行する為に、随分下準備をしたのだろう。
なんと狡猾な真似をしてくれる。
サミットの場に、フユリ様がいてくれれば…。
このような好き勝手、絶対にさせなかっただろうに。
人質の返還と謝罪だと?
よくもまぁ、いけしゃあしゃあと。謝るべきは自分達の方だろ。
「…不味いね。このままルーデュニア聖王国が悪者扱いで、アーリヤット皇国が中心となって、その条約が結ばれてしまったら…」
…そうなったときのことなんて、考えたくもないな。
国家間で、魔導師が便利な家電製品のように貸し借りされる世界なんて…。
魔導師に対する人権侵害も甚だしい。
おまけに、これまで魔導師に対して寛容だった、ルーデュニア聖王国を始めとする親魔導師国家の数々。
これらはあっと言う間に発言権をなくし、否が応でも、反魔導師国家への方針転換を余儀なくされるだろう。
そうなったら…これまで自分の祖国で居心地良く暮らしていた、全ての魔導師が…。
大人しく国家所有の家電製品になるか、あるいはかつてのマシュリのように…居場所を求めて放浪の旅に出なければならなくなる。
俺もそうなるかもしれない。
それは…嫌だな。
何だかんだ、俺は自分という人格が生まれたときから、ずっとルーデュニア聖王国にいたから。
シルナと共に、変遷を眺めてきた…この国に愛着がある。
ルーデュニア聖王国が世界の波に飲まれ、反魔導師国家に変貌する様は、見たくない。
…すると。
「…僕がアーリヤット皇国に帰るよ」
険しい顔で沈黙していたマシュリが、不意に口を開いたかと思うと。
とんでもないことを言い出した。
何だって?アーリヤット皇国に帰る?
「マシュリ…。お前、何言ってるんだ?」
「『人質』の僕が返還されたら、少しはルーデュニア聖王国も立場が良くなるはずだよ」
馬鹿な。
返還を要求されている人質が、自らの意志でアーリヤット皇国に帰れば。
ルーデュニア聖王国に対する、世間のバッシングも収まるだろうと?
「僕も証言するよ。人質にされていたなんて嘘だって。外交大使だったなんて嘘だって。正直に…『HOME』の軍人として派遣されたって言う」
「…」
「そうすれば、アーリヤット皇王の証言に不信感が生まれる」
…その為に、お前は戻りたくもない場所に帰るって?
冗談じゃない。そんなこと…させてたまるものか。


