アーリヤット皇国の皇王ナツキ様は、現在開催中のサミットで、新たな国際条約の締結を提案した。
フユリ様曰く、以前もナツキ様は条約の草案を提出したらしいが。
そのとき提案した条約は、フユリ様の反対で白紙になった。
確実にその時のことを恨んでいるであろうナツキ様は。
今度はフユリ様に反対され内容ら彼女をミナミノ共和国に閉じ込めた状態で、再び新たな条約の締結を提案した。
報告に来た魔導隊士が持ってきた文書は、その新条約の詳しい内容だった。
簡単に言うと、世界的に魔導師を取り締まる為の条約だった。
その名も、世界魔導師保護条約。
実にシンプルな名前だ。
そして、ペテンに満ちた名前でもある。
「保護」と聞くと、何とも優しげに聞こえる。
魔導師を保護する為の条約なら、そんなに悪くないんじゃないか?と思わせてくる。
それがナツキ様の狙いなのだ。
「保護」を名目に、その実は「管理」、及び「支配」と表現するのが正しい。
魔導師は全員政府に届け出て、政府の許可を得た者のみが魔法の使用を許可する。
魔法の私的利用、及び私的な魔導理論の研究は一切許されない。
全ての魔導師は国家に所属し、国家の為に魔法を使用する。
ぐだぐだと色々書いてあるが、要するに。
魔導師を、国家の所有物にする。
これが、この条約の主たる内容である。
こういう思想自体は、それほど珍しくはない。
これまでも、反魔導師国家では、このような政策が取られていると聞いたことがある。
魔導師を国家の所有物にするなんて…。ルーデュニア聖王国では、到底有り得ない。
しかもこの条約は、一国家のみの政策に留まらない。
ナツキ様はこの馬鹿げた条約を世界条約として、国際的に適用させようとしているのだ。
条約の草案の中には、「条約加盟国間における、魔導師の一時貸与」なんて項目も含まれていた。
これは要するに、国家間で魔導師を貸し借りしましょうって話だ。
便利な魔導師がいたら、他の国に貸し付けて賃貸料を得る。
魔導師を国家の財産として、金儲けの道具にしようとしているのだ。
おまけに、全ての魔導師は国家に所属している身分だから、お上に逆らうことは出来ない。
国のトップが「行け」と言ったら、嫌でも行かなければならない。
便利な家電製品でも貸し借りするかのように、金で魔導師を利用する。
それを国内に留まらず、世界規模で行おうって。
「…こんなの、馬鹿げてる」
俺は思わず、そう吐き捨てた。
信じられるか?こんな発想。
どれだけ魔導師をコケにしてたら、このような条約を思いつくのだ。
しかも、それをドヤ顔で提案したのだろう?
フユリ様がいなければ、反対もされないだろうって?
「…うん。私も馬鹿げてると思う。思うけど…」
「…けど、何だよ?シルナ…」
「…フユリ様が不在のこの状況なら、諸外国はあながち…満更でもないんじゃないかな」
シルナは、じっと文書を読みながらそう言った。
…正気かよ。
フユリ様曰く、以前もナツキ様は条約の草案を提出したらしいが。
そのとき提案した条約は、フユリ様の反対で白紙になった。
確実にその時のことを恨んでいるであろうナツキ様は。
今度はフユリ様に反対され内容ら彼女をミナミノ共和国に閉じ込めた状態で、再び新たな条約の締結を提案した。
報告に来た魔導隊士が持ってきた文書は、その新条約の詳しい内容だった。
簡単に言うと、世界的に魔導師を取り締まる為の条約だった。
その名も、世界魔導師保護条約。
実にシンプルな名前だ。
そして、ペテンに満ちた名前でもある。
「保護」と聞くと、何とも優しげに聞こえる。
魔導師を保護する為の条約なら、そんなに悪くないんじゃないか?と思わせてくる。
それがナツキ様の狙いなのだ。
「保護」を名目に、その実は「管理」、及び「支配」と表現するのが正しい。
魔導師は全員政府に届け出て、政府の許可を得た者のみが魔法の使用を許可する。
魔法の私的利用、及び私的な魔導理論の研究は一切許されない。
全ての魔導師は国家に所属し、国家の為に魔法を使用する。
ぐだぐだと色々書いてあるが、要するに。
魔導師を、国家の所有物にする。
これが、この条約の主たる内容である。
こういう思想自体は、それほど珍しくはない。
これまでも、反魔導師国家では、このような政策が取られていると聞いたことがある。
魔導師を国家の所有物にするなんて…。ルーデュニア聖王国では、到底有り得ない。
しかもこの条約は、一国家のみの政策に留まらない。
ナツキ様はこの馬鹿げた条約を世界条約として、国際的に適用させようとしているのだ。
条約の草案の中には、「条約加盟国間における、魔導師の一時貸与」なんて項目も含まれていた。
これは要するに、国家間で魔導師を貸し借りしましょうって話だ。
便利な魔導師がいたら、他の国に貸し付けて賃貸料を得る。
魔導師を国家の財産として、金儲けの道具にしようとしているのだ。
おまけに、全ての魔導師は国家に所属している身分だから、お上に逆らうことは出来ない。
国のトップが「行け」と言ったら、嫌でも行かなければならない。
便利な家電製品でも貸し借りするかのように、金で魔導師を利用する。
それを国内に留まらず、世界規模で行おうって。
「…こんなの、馬鹿げてる」
俺は思わず、そう吐き捨てた。
信じられるか?こんな発想。
どれだけ魔導師をコケにしてたら、このような条約を思いつくのだ。
しかも、それをドヤ顔で提案したのだろう?
フユリ様がいなければ、反対もされないだろうって?
「…うん。私も馬鹿げてると思う。思うけど…」
「…けど、何だよ?シルナ…」
「…フユリ様が不在のこの状況なら、諸外国はあながち…満更でもないんじゃないかな」
シルナは、じっと文書を読みながらそう言った。
…正気かよ。


