生徒にもイレースにも、マシュリにも相手にされなかったが。
かろうじて、俺だけは自分の相手をしてくれると分かって、余程嬉しかったのか。
「どれ?どれ食べる?この間秘蔵のチョコが全部消し炭になったから、また新しいの取り寄せたんだよ!」
目をきらきらさせながら、シルナは鍵付きの引き出しを開けた。
まだ真新しい引き出しの中は、チョコレートの箱がすし詰めになっていた。
どんだけ買ったんだよ。
「…」
ぎっしり詰まったチョコレートの箱を見て、イレースが眉を釣り上げていた。
シルナの凄まじい浪費の、動かぬ証拠である。
怖っ…。
しかし、頭の中までチョコたっぷりのシルナは、イレースのそんな視線にも気づかない。
「色々あるよ!こっちが甘いミルクチョコレートの詰め合わせで、こっちはもっと甘いチョコレート、こっちはもっともっと甘いチョコレート!」
甘いチョコしかねぇ。
仕方ない。シルナは無類のチョコ好きだが、カカオの味が強い、苦味のあるチョコは好きではないのだ。
砂糖とミルクたっぷりの、甘々なチョコレートが好き。
良い歳したおっさんの癖に、重度のお子様舌なんだよ。
コーヒーとか飲めないタイプ。
これが、天下のイーニシュフェルト魔導学院の学院長なんだぜ。
な?情けないだろ?
「羽久が私に失礼なこと考えてる気がするけど…チョコパーティー開けて嬉しいから、今は良いや!」
あっそ。
「じゃあ早速、あま〜いホットチョコレートを用意して…」
え?今からなのか?
明日じゃねぇの?思い立ったが吉日?
「ついでに、マシュリ君とイレースちゃんの分も」
いや、だからマシュリはこれから集会なんだって。
イレースもイレースで、軽蔑しきった眼差しでシルナを見ているし。
まぁ、シルナは全然気づいてないけども。
「それから、ナジュ君や天音君や、令月君とすぐり君も呼ぼう!」
結局オールスター勢揃いじゃん。
俺だけが付き合ってやる、という当初の計画は何処に?
魔導理論の研究になると、ルーデュニア聖王国イチ、ってくらい賢い癖に。
チョコレートの話になると、IQが100くらい下がるのかもしれない。
「羽久がますます私に失礼なこと考えてる気がするけど、チョコパーティーが楽しみだから良いや!」
「あ、そ…」
失礼なことじゃなくて、事実だから。
まぁ…良いか。
このまま放っておいたら、最悪。
誰にも相手されないのが寂しいばかりに、通りすがりの生徒を拉致して、学院長室に連れてきかねない。
シルナならマジでやりかねないので、俺達で妥協してもらおう。
…と、思ったが。
事態は、それどころではなかった。
かろうじて、俺だけは自分の相手をしてくれると分かって、余程嬉しかったのか。
「どれ?どれ食べる?この間秘蔵のチョコが全部消し炭になったから、また新しいの取り寄せたんだよ!」
目をきらきらさせながら、シルナは鍵付きの引き出しを開けた。
まだ真新しい引き出しの中は、チョコレートの箱がすし詰めになっていた。
どんだけ買ったんだよ。
「…」
ぎっしり詰まったチョコレートの箱を見て、イレースが眉を釣り上げていた。
シルナの凄まじい浪費の、動かぬ証拠である。
怖っ…。
しかし、頭の中までチョコたっぷりのシルナは、イレースのそんな視線にも気づかない。
「色々あるよ!こっちが甘いミルクチョコレートの詰め合わせで、こっちはもっと甘いチョコレート、こっちはもっともっと甘いチョコレート!」
甘いチョコしかねぇ。
仕方ない。シルナは無類のチョコ好きだが、カカオの味が強い、苦味のあるチョコは好きではないのだ。
砂糖とミルクたっぷりの、甘々なチョコレートが好き。
良い歳したおっさんの癖に、重度のお子様舌なんだよ。
コーヒーとか飲めないタイプ。
これが、天下のイーニシュフェルト魔導学院の学院長なんだぜ。
な?情けないだろ?
「羽久が私に失礼なこと考えてる気がするけど…チョコパーティー開けて嬉しいから、今は良いや!」
あっそ。
「じゃあ早速、あま〜いホットチョコレートを用意して…」
え?今からなのか?
明日じゃねぇの?思い立ったが吉日?
「ついでに、マシュリ君とイレースちゃんの分も」
いや、だからマシュリはこれから集会なんだって。
イレースもイレースで、軽蔑しきった眼差しでシルナを見ているし。
まぁ、シルナは全然気づいてないけども。
「それから、ナジュ君や天音君や、令月君とすぐり君も呼ぼう!」
結局オールスター勢揃いじゃん。
俺だけが付き合ってやる、という当初の計画は何処に?
魔導理論の研究になると、ルーデュニア聖王国イチ、ってくらい賢い癖に。
チョコレートの話になると、IQが100くらい下がるのかもしれない。
「羽久がますます私に失礼なこと考えてる気がするけど、チョコパーティーが楽しみだから良いや!」
「あ、そ…」
失礼なことじゃなくて、事実だから。
まぁ…良いか。
このまま放っておいたら、最悪。
誰にも相手されないのが寂しいばかりに、通りすがりの生徒を拉致して、学院長室に連れてきかねない。
シルナならマジでやりかねないので、俺達で妥協してもらおう。
…と、思ったが。
事態は、それどころではなかった。


