神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

「ようやく僕も、集会のメンバーとして受け入れられるようになったから」

「…」

「今日も行ってくるよ」

…新作のちゅちゅ〜るの話をしに?

いや、別に良いよ。

近所の猫の集まりに顔を出すということは、いよいよマシュリも、この場所に定住する覚悟を決めたってことだから。

近所の猫と友達…友猫になっても良いよ。

精々親友を作ってくれ。

何より、何故かマシュリがとても楽しそうだから、それで良い。

何処行っても良いよ。ちゃんと戻ってくるんならな。

すると、そこにシルナが割り込んできた。

「マシュリ君!マシュリ君、丁度良かった」

「何が?」

「今ね、マシュリ君とルディシア君の歓迎会を開いたらどうかなって、話し合ってたところだったんだ」

話し合ってはないだろ。

お前が一方的に、歓迎会開こうって提案してただけで。

「どう?どうかな?明日とか!」

急だな。

「明日?…明日は…」

「駄目?何か予定があるの?」

「えーと…人間としての僕は、何の予定もないんだけど…」

マシュリはポケットに手を入れ、猫の手形模様のマイ手帳を取り出し。

ぺらぺらとページを捲ってから。

「あ、ごめん。明日はセレーナ北地区の大集会があって…」

また猫の集会かよ。

え?そんな大規模で集まってんの?

「…猫の予定を優先するなよ…」

「その集会で、僕の歓迎会も開いてくれるそうだから。行ってくるよ」

あ、そう…。

別に良いよ。野良猫の集まりだろうと、マシュリがこの場所に受け入れられるなら、何でも良い。

猫の集会、大いに結構。行ってこい。

「明日の歓迎会では、秘蔵の金の猫缶と、美味しいちゅちゅ〜るを開けるんだって。…今から楽しみだよ」

「…ふーん…」

そんな…目をキラキラさせながら言われても。

お前、もう人間の姿になるのやめて、いろりの姿で過ごしたら?

別に良いよ。マシュリが嬉しそうだから、もうそれに越したことはない。

で、シルナは。

「…私のチョコパーティーは…?」

「…諦めろ」

人間に歓迎会を開いてもらうより、猫に歓迎会を開いてもらった方が良いってさ。

お前は諦めて、一人でチョコを…。

…。

「…分かったよ。せめて俺は付き合ってやるよ」

「…!羽久ありがとう!大好き!」

俺も鬼じゃないからな。

せめて俺くらいは、お前の相手をしてやるよ。