電気がぷつんと切れるように、目の前が暗くなって。
「入れ替わった」俺は、マシュリを敵と認識した。
自分と、シルナの身を脅かす敵だと。
片手に懐中時計を光らせ、二十音(はつね)・グラスフィアはマシュリに向かって飛んだ。
その手が、マシュリに触れる。
…その前に。
誰かが、二十音の手首をガシッと掴んだ。
「…その必要はないよ、二十音」
シルナ・エインリー。
この世で唯一、二十音・グラスフィアに言葉が届く人物。
シルナは二十音の手首を、ぐいっと引っ張って。
そのまま、二十音を腕の中に抱き締めた。
「大丈夫。君がそんなことをする必要はないんだよ」
「…しーちゃん…」
「うん、私が…しーちゃんが何とかしてあげるから。君は何もしなくて良い。…ゆっくりお休み」
子供をあやすように、二十音の背中をトントンと軽く叩く。
他の誰の言うことも聞かないが、シルナの言葉だけは、二十音の中に染み渡っていくようだった。
途端に落ち着きを取り戻した二十音は、甘えるようにシルナに抱きつき…。
…そして、いつもの静かな闇の中に。
二十音・グラスフィアの意識の中に、ゆっくりと眠るように消えていった。
二十音が眠りにつき、主導権を握る人格がいなくなった身体は、そのままシルナにしがみつくように崩れ落ちた。
シルナは、そんな二十音の身体を、そっと床に横たえ。
…改めて、暴走するマシュリと対峙した。
「…待たせたね、マシュリ君。…今、君を救ってあげるから」
シルナは、片手に杖を。
もう片方の手に、先程街の宝石屋で作ってもらったばかりの…。
鈍く黒い光を放つ、指輪を握っていた。
「入れ替わった」俺は、マシュリを敵と認識した。
自分と、シルナの身を脅かす敵だと。
片手に懐中時計を光らせ、二十音(はつね)・グラスフィアはマシュリに向かって飛んだ。
その手が、マシュリに触れる。
…その前に。
誰かが、二十音の手首をガシッと掴んだ。
「…その必要はないよ、二十音」
シルナ・エインリー。
この世で唯一、二十音・グラスフィアに言葉が届く人物。
シルナは二十音の手首を、ぐいっと引っ張って。
そのまま、二十音を腕の中に抱き締めた。
「大丈夫。君がそんなことをする必要はないんだよ」
「…しーちゃん…」
「うん、私が…しーちゃんが何とかしてあげるから。君は何もしなくて良い。…ゆっくりお休み」
子供をあやすように、二十音の背中をトントンと軽く叩く。
他の誰の言うことも聞かないが、シルナの言葉だけは、二十音の中に染み渡っていくようだった。
途端に落ち着きを取り戻した二十音は、甘えるようにシルナに抱きつき…。
…そして、いつもの静かな闇の中に。
二十音・グラスフィアの意識の中に、ゆっくりと眠るように消えていった。
二十音が眠りにつき、主導権を握る人格がいなくなった身体は、そのままシルナにしがみつくように崩れ落ちた。
シルナは、そんな二十音の身体を、そっと床に横たえ。
…改めて、暴走するマシュリと対峙した。
「…待たせたね、マシュリ君。…今、君を救ってあげるから」
シルナは、片手に杖を。
もう片方の手に、先程街の宝石屋で作ってもらったばかりの…。
鈍く黒い光を放つ、指輪を握っていた。


