二度とナジュに、あの力を使わせるつもりはなかった。
しかし…こうなってしまった以上は、もうどうしようもない。
それに、奇しくもナジュの言ったことは正しかった。
目には目を、歯には歯を。
獣の力には、獣の力を。
現状、ナジュのお陰でマシュリを抑え込むことに成功していた。
…だが…。
「…不味いね、彼…限界だよ」
「…あぁ」
ベリクリーデの呟きに、俺も同意した。
マシュリは、無尽蔵な魔力を理性なく爆発させ続けている。
まるで底が見えない、とんでもない魔力量だ。
しかも、まだまだ尽きる様子がない。
一方で…ナジュのあの形態は、あくまで一時的なもの。
おまけに…純正じゃない。
リリスのような姿をしているけれど、動いている身体はナジュのものだ。
いくら不死身の身体とはいえ…人間の身体で、魔物の力を行使するには限界がある。
既にナジュの身体に、いくつも裂傷のような傷跡が無数に出来ていた。
このままじゃ、ナジュの身体が持たない。
マシュリを抑え込む前に、ナジュが限界を迎える。
そうなったら、誰もマシュリの暴走を抑えられない。
…頼む、もう少し…もう少しだけ、粘ってくれ。
そうすれば、生徒の避難が完了する。
生徒が非難してしまえば、かなり楽になるはずだ。
だから…だから、それまで。
…しかし。
「っ、ナジュ!!」
拮抗していた力と力のぶつかり合いが綻ぶときは、一瞬だった。
体力の限界を迎えたナジュは、マシュリのでたらめな魔力の大放出に耐えられなかった。
爆風に吹っ飛ばされ、さながら先程の俺のように、受け身も取れずに壁に激突した。
「…ぐはっ…」
ナジュは塊のような血を吐き、握り締めた拳を床についていた。
「ナジュっ…!大丈夫か!?」
今この一瞬も、俺は時魔法を緩めることは出来ない。
ナジュに駆け寄りたくて堪らないのに、時魔法を途切れさせられない。必死に呼びかけるしかなかった。
「ぐっ…、っく…」
ナジュはまともに言葉を話すことも出来ず、そのまま床で呻き、血を何度も吐いていた。
どう見ても、これ以上は戦えない。
あいつはもう限界だ。
「っ…マシュリ…!」
お前、これほどとは…。
時魔法で動きが鈍っているはずなのに…。
だが、マシュリも無傷ではなかった。
無尽蔵の魔力とはいえ、無限ではない。
これほどの凄まじい魔力を、惜しみなく爆発させ続け。
マシュリの身体も、無傷でいられるはずがない。
ナジュと同じように、マシュリの身体も所々裂け、血が滲み出ていた。
息は荒く、苦しそうに呻いている。
…そこまでして、お前って奴は。
その姿は、恐怖を通り越して、憐れだった。
俺には、マシュリが苦しんでいるようにしか見えない。
本当はこんなことしたくないのに、誰かに強制されているかのように。
…実際、強制されているようなものだ。
ケルベロスの呪いで、無理矢理。
だから、悪いのはマシュリではない。
マシュリもまた、この呪い…本人が言うところの、罪の被害者なのだから。
しかし…こうなってしまった以上は、もうどうしようもない。
それに、奇しくもナジュの言ったことは正しかった。
目には目を、歯には歯を。
獣の力には、獣の力を。
現状、ナジュのお陰でマシュリを抑え込むことに成功していた。
…だが…。
「…不味いね、彼…限界だよ」
「…あぁ」
ベリクリーデの呟きに、俺も同意した。
マシュリは、無尽蔵な魔力を理性なく爆発させ続けている。
まるで底が見えない、とんでもない魔力量だ。
しかも、まだまだ尽きる様子がない。
一方で…ナジュのあの形態は、あくまで一時的なもの。
おまけに…純正じゃない。
リリスのような姿をしているけれど、動いている身体はナジュのものだ。
いくら不死身の身体とはいえ…人間の身体で、魔物の力を行使するには限界がある。
既にナジュの身体に、いくつも裂傷のような傷跡が無数に出来ていた。
このままじゃ、ナジュの身体が持たない。
マシュリを抑え込む前に、ナジュが限界を迎える。
そうなったら、誰もマシュリの暴走を抑えられない。
…頼む、もう少し…もう少しだけ、粘ってくれ。
そうすれば、生徒の避難が完了する。
生徒が非難してしまえば、かなり楽になるはずだ。
だから…だから、それまで。
…しかし。
「っ、ナジュ!!」
拮抗していた力と力のぶつかり合いが綻ぶときは、一瞬だった。
体力の限界を迎えたナジュは、マシュリのでたらめな魔力の大放出に耐えられなかった。
爆風に吹っ飛ばされ、さながら先程の俺のように、受け身も取れずに壁に激突した。
「…ぐはっ…」
ナジュは塊のような血を吐き、握り締めた拳を床についていた。
「ナジュっ…!大丈夫か!?」
今この一瞬も、俺は時魔法を緩めることは出来ない。
ナジュに駆け寄りたくて堪らないのに、時魔法を途切れさせられない。必死に呼びかけるしかなかった。
「ぐっ…、っく…」
ナジュはまともに言葉を話すことも出来ず、そのまま床で呻き、血を何度も吐いていた。
どう見ても、これ以上は戦えない。
あいつはもう限界だ。
「っ…マシュリ…!」
お前、これほどとは…。
時魔法で動きが鈍っているはずなのに…。
だが、マシュリも無傷ではなかった。
無尽蔵の魔力とはいえ、無限ではない。
これほどの凄まじい魔力を、惜しみなく爆発させ続け。
マシュリの身体も、無傷でいられるはずがない。
ナジュと同じように、マシュリの身体も所々裂け、血が滲み出ていた。
息は荒く、苦しそうに呻いている。
…そこまでして、お前って奴は。
その姿は、恐怖を通り越して、憐れだった。
俺には、マシュリが苦しんでいるようにしか見えない。
本当はこんなことしたくないのに、誰かに強制されているかのように。
…実際、強制されているようなものだ。
ケルベロスの呪いで、無理矢理。
だから、悪いのはマシュリではない。
マシュリもまた、この呪い…本人が言うところの、罪の被害者なのだから。


