「…マシュリ…」
俺は今一度、凄まじい魔力を噴出差せているマシュリを見つめた。
その目は完全に正気を失い、本能のままに力を暴走させていた。
恐ろしいより、俺は今、マシュリのことが酷く可哀想だった。
…辛いよな、マシュリ。
誰よりも、お前が一番辛いだろう。
そんな姿を、そんな業を背負わされて。
お前のせいじゃないのにな。誰も彼も、お前が悪いみたいに言われて。
マシュリにだって、普通に生きる権利があったはずだ。
先祖の過ちに付き合わて、そのせいでマシュリの人生は狂わされた…。
こんな恐ろしい姿を晒すのは、マシュリが一番望まないことのはずだ。
「…大丈夫、今助けてやるからな」
もう二度と、誰の未来も奪いたくないとマシュリは言った。
だから奪わせない。俺達の未来も、マシュリの未来も守ってみせる。
俺は杖を片手に握って、マシュリと相対した。
「…出来るだけ長く持たせる。頼むぞ」
ジュリスは学院長室を取り囲むように、防御魔法陣を展開した。
「…星の力を纏え。星辰剣」
ベリクリーデが両手に構えた剣が、強い星の魔力を吸収した。
初めて見るんだが、あの武器は一体。
いや…今はそんなこと、聞いてる場合じゃないな。
「リリス…力を貸してください」
ナジュはそう言って、自分の中にいるもう一人に呼びかけた。
リリスが、上手くマシュリを説得してくれれば良いのだが。
果たして今のマシュリに、リリスの声が届くだろうか?
…いずれにしても、やるしかない。
シルナが学院に戻ってくるまで、生徒が避難を終えるまで、時間を稼ぐ。
「…eimt wlosnowd…dxceeeyingd」
一時的でも良い。マシュリを拘束する。
さっき、すぐりが糸で拘束しようとしたが、失敗した。
力ずくでは駄目なのだ。マシュリの暴走する力の方が強過ぎて、抑え込めない。
なら、マシュリの時間を止めればどうなる?
俺は時魔導師だ。マシュリ本人はもとより、マシュリの周囲の時間も操作することが出来る。
故に、俺はマシュリに魔法をかけ、最大限マシュリの時間を遅くした。
これで、僅かながらでも動きが鈍る。
…ナジュ…いや、リリスがマシュリに呼びかける隙を作れる。
「行くよ、星辰剣。あらゆる魔を切り裂いて」
ベリクリーデの両手の剣が、今まさに爆発しようとしていた、マシュリの魔力の塊を切り裂いた。
あの凄まじい魔力の塊を、一振りで一刀両断するとは。
ますます、あの武器と…使用者が誰であるかに対する謎が深まる。
当然、尋ねている暇はないが。
「マシュリさん…。…いや、マシュリ」
爆風に煽られながら、リリスはマシュリに語りかけた。
「しっかりして、マシュリ。私の声を聞いて」
「…」
リリスの問いかけに、マシュリは答えない。
聞こえてない…ってことはないと思うが…。
果たして、返事をする余裕が、理性があるのだろうか。
「お願い、こんなことはやめて。もとのあなたに戻って」
リリスは、マシュリにとって上司のような存在。
もしリリスの声が届いているなら、マシュリは正気に戻るはずだった。
俺は今一度、凄まじい魔力を噴出差せているマシュリを見つめた。
その目は完全に正気を失い、本能のままに力を暴走させていた。
恐ろしいより、俺は今、マシュリのことが酷く可哀想だった。
…辛いよな、マシュリ。
誰よりも、お前が一番辛いだろう。
そんな姿を、そんな業を背負わされて。
お前のせいじゃないのにな。誰も彼も、お前が悪いみたいに言われて。
マシュリにだって、普通に生きる権利があったはずだ。
先祖の過ちに付き合わて、そのせいでマシュリの人生は狂わされた…。
こんな恐ろしい姿を晒すのは、マシュリが一番望まないことのはずだ。
「…大丈夫、今助けてやるからな」
もう二度と、誰の未来も奪いたくないとマシュリは言った。
だから奪わせない。俺達の未来も、マシュリの未来も守ってみせる。
俺は杖を片手に握って、マシュリと相対した。
「…出来るだけ長く持たせる。頼むぞ」
ジュリスは学院長室を取り囲むように、防御魔法陣を展開した。
「…星の力を纏え。星辰剣」
ベリクリーデが両手に構えた剣が、強い星の魔力を吸収した。
初めて見るんだが、あの武器は一体。
いや…今はそんなこと、聞いてる場合じゃないな。
「リリス…力を貸してください」
ナジュはそう言って、自分の中にいるもう一人に呼びかけた。
リリスが、上手くマシュリを説得してくれれば良いのだが。
果たして今のマシュリに、リリスの声が届くだろうか?
…いずれにしても、やるしかない。
シルナが学院に戻ってくるまで、生徒が避難を終えるまで、時間を稼ぐ。
「…eimt wlosnowd…dxceeeyingd」
一時的でも良い。マシュリを拘束する。
さっき、すぐりが糸で拘束しようとしたが、失敗した。
力ずくでは駄目なのだ。マシュリの暴走する力の方が強過ぎて、抑え込めない。
なら、マシュリの時間を止めればどうなる?
俺は時魔導師だ。マシュリ本人はもとより、マシュリの周囲の時間も操作することが出来る。
故に、俺はマシュリに魔法をかけ、最大限マシュリの時間を遅くした。
これで、僅かながらでも動きが鈍る。
…ナジュ…いや、リリスがマシュリに呼びかける隙を作れる。
「行くよ、星辰剣。あらゆる魔を切り裂いて」
ベリクリーデの両手の剣が、今まさに爆発しようとしていた、マシュリの魔力の塊を切り裂いた。
あの凄まじい魔力の塊を、一振りで一刀両断するとは。
ますます、あの武器と…使用者が誰であるかに対する謎が深まる。
当然、尋ねている暇はないが。
「マシュリさん…。…いや、マシュリ」
爆風に煽られながら、リリスはマシュリに語りかけた。
「しっかりして、マシュリ。私の声を聞いて」
「…」
リリスの問いかけに、マシュリは答えない。
聞こえてない…ってことはないと思うが…。
果たして、返事をする余裕が、理性があるのだろうか。
「お願い、こんなことはやめて。もとのあなたに戻って」
リリスは、マシュリにとって上司のような存在。
もしリリスの声が届いているなら、マシュリは正気に戻るはずだった。


