それを聞いて、天音は驚いて異論を唱えた。
「そんな!危険だよ…!君達だけでこの場を抑えるなんて」
本当にな。
我ながら、かなり無茶を言ってる自覚はある。
でも、そうする必要があると判断した。
「生徒を…一人でも怪我させる訳にはいかない。シルナの学院で…誰一人」
「…羽久さん…」
シルナがいない間に、シルナの大事な生徒に、掠り傷一つでもつけてみろ。
生徒には勿論、俺はシルナに申し訳が立たない。
それに、生徒が校舎から逃げてくれれば、ジュリスも気を張って防御魔法陣を展開する必要がなくなる。
まずは、守るべきものを安全な場所に避難させなくては。
その為に、イレースや令月達の力が必要だ。
「で、でもそれじゃあ、あまりにも危険…」
「分かりました。すぐに動きましょう」
なおも反対しようとする天音を、遮るように。
イレースはただちに頷いて、くるりと踵を返した。
…さすがイレース。話が早いよ。
そして。
「…分かった。先に生徒を逃して、それが終わったらすぐ戻ってくる」
「俺達が戻るまで、何とか頑張って持ち堪えてね」
令月とすぐりも、さすがの判断力の速さだった。
…ごめんな。本来なら、お前達も守られなければならない立場なのに。
「…分かったよ。僕も覚悟を決める」
イレースや令月、すぐりの決断に、天音もようやく同意した。
「でも…くれぐれも気をつけて。危ないと思ったら逃げてね」
「…あぁ。俺もそのつもりだよ」
「ここは任せて。心配しないで」
ベリクリーデもそう言って、両手に剣を握り締めた。
妙に頼もしくて、まるでベリクリーデじゃないみたいだ。
だが、今それを指摘する暇はないな。
「…ナジュ、お前も生徒の避難を…」
ただ一人、まだ返事をしていないナジュに声をかけると。
「…僕は行きませんよ。ここで一緒に、マシュリさんを止めます」
「…!お前…」
まさか、また。
不死身の身体で、自爆覚悟でマシュリを抑えるつもりか。
そういうことをするなって、何度言ったら…。
「違いますよ。そうじゃなくて…僕の…いえ、リリスの言葉なら、マシュリさんに届くかもしれないから」
俺の心を読んだナジュが言った。
…成程、そういうことか。
ナジュの中にいる魔物…リリスは、マシュリの上司…みたいな存在なんだっけ。
上司が呼びかければ、一時的でも、マシュリの暴走を抑えられるかもしれない。
そうであって欲しいものだ。
なら…ナジュには、残ってもらった方が良さそうだ。
「…無理しないでね、ナジュ君」
「…善処しますよ」
天音は、未練がましくナジュ…友の背中を見つめ。
そして、憂いを断つようにして踵を返した。
令月とすぐりも、それに続いた。
…生徒達の避難は、彼らに任せよう。
だからそれまで、俺達は何としても時間を稼ぐ。
「そんな!危険だよ…!君達だけでこの場を抑えるなんて」
本当にな。
我ながら、かなり無茶を言ってる自覚はある。
でも、そうする必要があると判断した。
「生徒を…一人でも怪我させる訳にはいかない。シルナの学院で…誰一人」
「…羽久さん…」
シルナがいない間に、シルナの大事な生徒に、掠り傷一つでもつけてみろ。
生徒には勿論、俺はシルナに申し訳が立たない。
それに、生徒が校舎から逃げてくれれば、ジュリスも気を張って防御魔法陣を展開する必要がなくなる。
まずは、守るべきものを安全な場所に避難させなくては。
その為に、イレースや令月達の力が必要だ。
「で、でもそれじゃあ、あまりにも危険…」
「分かりました。すぐに動きましょう」
なおも反対しようとする天音を、遮るように。
イレースはただちに頷いて、くるりと踵を返した。
…さすがイレース。話が早いよ。
そして。
「…分かった。先に生徒を逃して、それが終わったらすぐ戻ってくる」
「俺達が戻るまで、何とか頑張って持ち堪えてね」
令月とすぐりも、さすがの判断力の速さだった。
…ごめんな。本来なら、お前達も守られなければならない立場なのに。
「…分かったよ。僕も覚悟を決める」
イレースや令月、すぐりの決断に、天音もようやく同意した。
「でも…くれぐれも気をつけて。危ないと思ったら逃げてね」
「…あぁ。俺もそのつもりだよ」
「ここは任せて。心配しないで」
ベリクリーデもそう言って、両手に剣を握り締めた。
妙に頼もしくて、まるでベリクリーデじゃないみたいだ。
だが、今それを指摘する暇はないな。
「…ナジュ、お前も生徒の避難を…」
ただ一人、まだ返事をしていないナジュに声をかけると。
「…僕は行きませんよ。ここで一緒に、マシュリさんを止めます」
「…!お前…」
まさか、また。
不死身の身体で、自爆覚悟でマシュリを抑えるつもりか。
そういうことをするなって、何度言ったら…。
「違いますよ。そうじゃなくて…僕の…いえ、リリスの言葉なら、マシュリさんに届くかもしれないから」
俺の心を読んだナジュが言った。
…成程、そういうことか。
ナジュの中にいる魔物…リリスは、マシュリの上司…みたいな存在なんだっけ。
上司が呼びかければ、一時的でも、マシュリの暴走を抑えられるかもしれない。
そうであって欲しいものだ。
なら…ナジュには、残ってもらった方が良さそうだ。
「…無理しないでね、ナジュ君」
「…善処しますよ」
天音は、未練がましくナジュ…友の背中を見つめ。
そして、憂いを断つようにして踵を返した。
令月とすぐりも、それに続いた。
…生徒達の避難は、彼らに任せよう。
だからそれまで、俺達は何としても時間を稼ぐ。


