「そ、そんな…。皆、ケーキだよ。チョコのケーキ!チョコクリームがたっぷり乗ったケーキ!」
チョコだろうがチーズだろうが抹茶だろうが、そういう問題じゃないんだよ。
皆今は、いろりの帰還で頭がいっぱいだから。
「いろりちゃんじゃなくて、ほら、こっちに来てケーキを、」
「お腹空いてない?いろりちゃん。ミルク飲む?」
「猫じゃらしがあるよ。おいでー」
「待てって。先にブラッシングだろ?」
…シルナの声、全然届いてない。
それどころか、チョコチョコうるせぇ学院長のことなんて、完全にアウトオブ眼中。
残念だったな、シルナ。
チョコで猫には勝てない。
「ケーキ…。チョコ…」
呆然とつぶやくも、誰も振り返る者はいない。
…シルナ、いろりを前に完全敗北。
仕方ないな。潔く負けを認めろ。
学院長のチョコケーキよりも、生き物であるいろりの方が面白いわな。
そりゃ仕方ない。
「…うわぁぁぁん、羽久…!いろりちゃんに生徒を盗られた~っ!」
生徒に相手にしてもらえなくなったシルナは、俺に泣きついてきた。
ナジュと言い、天音と言い、いろりと言い…。
シルナの人気を奪う者が増えたな。
こりゃもう、シルナ引退の日も近いな。
「もぐもぐ。ケーキ美味しいね」
「俺はいちご大福の方が好きだけどねー」
そんなシルナをよそに、いつの間にか元暗殺者組がやって来て。
シルナのチョコケーキを、勝手につまみ食いしていた。
ちゃっかりした奴らだよ。
別に良いけどさ。
せめてお前達くらいは、シルナの相手をしてやってくれ。
「令月、すぐり…。聞いてたか?」
「何を?」
「いろりの行方が分からなくなってた理由…」
学院の近所で保護されてた、っていうあの作り話だ。
しかし、令月とすぐりは、それが作り話であることを知っている。
いろり…マシュリの正体のことも。
俺達としては、この真実を生徒達にバラされたくない訳で…。
「分かってるよ。そういうことにしておく」
「合わせればいーんでしょ?お安い御用だよ」
「…どうも」
言わなくても分かってたか。有り難い。
嘘をつかせるのは心苦しいが、ここは俺達の嘘に合わせて欲しい。
いろりはあくまで、迷子になってただけ。
親切な人に送り届けられて、学院に戻ってきた。
…いや。
あながち、嘘じゃないかもしれないな。
行き場もなく彷徨っていたマシュリが、シュニィの手引きで学院にやって来たと思えば。
終わり良ければ、って奴だな。
チョコだろうがチーズだろうが抹茶だろうが、そういう問題じゃないんだよ。
皆今は、いろりの帰還で頭がいっぱいだから。
「いろりちゃんじゃなくて、ほら、こっちに来てケーキを、」
「お腹空いてない?いろりちゃん。ミルク飲む?」
「猫じゃらしがあるよ。おいでー」
「待てって。先にブラッシングだろ?」
…シルナの声、全然届いてない。
それどころか、チョコチョコうるせぇ学院長のことなんて、完全にアウトオブ眼中。
残念だったな、シルナ。
チョコで猫には勝てない。
「ケーキ…。チョコ…」
呆然とつぶやくも、誰も振り返る者はいない。
…シルナ、いろりを前に完全敗北。
仕方ないな。潔く負けを認めろ。
学院長のチョコケーキよりも、生き物であるいろりの方が面白いわな。
そりゃ仕方ない。
「…うわぁぁぁん、羽久…!いろりちゃんに生徒を盗られた~っ!」
生徒に相手にしてもらえなくなったシルナは、俺に泣きついてきた。
ナジュと言い、天音と言い、いろりと言い…。
シルナの人気を奪う者が増えたな。
こりゃもう、シルナ引退の日も近いな。
「もぐもぐ。ケーキ美味しいね」
「俺はいちご大福の方が好きだけどねー」
そんなシルナをよそに、いつの間にか元暗殺者組がやって来て。
シルナのチョコケーキを、勝手につまみ食いしていた。
ちゃっかりした奴らだよ。
別に良いけどさ。
せめてお前達くらいは、シルナの相手をしてやってくれ。
「令月、すぐり…。聞いてたか?」
「何を?」
「いろりの行方が分からなくなってた理由…」
学院の近所で保護されてた、っていうあの作り話だ。
しかし、令月とすぐりは、それが作り話であることを知っている。
いろり…マシュリの正体のことも。
俺達としては、この真実を生徒達にバラされたくない訳で…。
「分かってるよ。そういうことにしておく」
「合わせればいーんでしょ?お安い御用だよ」
「…どうも」
言わなくても分かってたか。有り難い。
嘘をつかせるのは心苦しいが、ここは俺達の嘘に合わせて欲しい。
いろりはあくまで、迷子になってただけ。
親切な人に送り届けられて、学院に戻ってきた。
…いや。
あながち、嘘じゃないかもしれないな。
行き場もなく彷徨っていたマシュリが、シュニィの手引きで学院にやって来たと思えば。
終わり良ければ、って奴だな。


