改めて。
「それで、シュニィ。その犯人は何処にいる?」
「教えたらあなた、犯人…マシュリさんを成敗するつもりでしょう?」
「勿論だ!いくらシュニィが美人だからって…いくらシュニィが美人だからって!シュニィを誘拐するなどけしからん!」
大切なことだから、二度言った。
「じゃあ駄目です、教えません。私は、彼を成敗して欲しくないんです」
「何だと?」
眉をひそめるアトラスである。
何故自分を誘拐した犯人を庇うのか、と言いたそうな顔だ。
俺もそう思うけど、誘拐されているとき、犯人とシュニィの間で何かあったのだろう。
「彼は居場所が欲しかっただけです。自分の家…家族が」
と、シュニィは言った。
「その思いを、アーリヤット皇王に利用されてしまったんです。私はマシュリさんに、今度こそ温かい居場所を作ってあげたいんです」
「…」
「だから、彼を裁くのはやめてあげてください。例えアトラスさんでも…それは譲りません」
…成程。
決意は固そうだな。
「…」
アトラスは黙ったまま、シュニィを見つめていた。
自分の妻が誘拐犯を庇っているのを見て、不愉快な気持ちになっているのかもしれない。
あるいは、拉致されている間に洗脳でもされたのか、と心配しているのかも。
…いずれにしても…。
「会ってみないことには、分からないだろ」
ベリクリーデと共に、床に伏せて身を守っていたジュリスが、ようやく起き上がった。
命拾いしたな、ジュリスは。
「会って、話してみないことには。シルナ・エインリー、お前もそうだろ?」
「…うん、そうだね。私もその子とお話してみたいよ」
ハンカチで顔を押さえたまま、シルナが答えた。
…だな。
ナジュから話は聞いていたが、やはり実物を目にしないことには。
本当に安心して良いのか分からない。
「…よし、分かった」
アトラスが何やら、決意を固めたようだ。
「シュニィがそこまで言うなら…。シュニィに免じて、ひとまず矛を収めよう」
おぉ、さすがシュニィだ。
あのアトラスに、理性を取り戻させるとは。
「だが、もしその犯人が、シュニィにけしからんことをしていたら…そのときは、俺が成敗してくれる」
「…何もされてませんよ。心配しなくても」
それなら良いんだが。
理性を取り戻したとはいえ、いつまたアトラスが暴走機関車と化すか、気が気じゃないよ。
「分かりました。それでは…マシュリさんのところに案内します。…ジュリスさん、誰も入ってこないように見張っていてもらえますか?」
「あぁ、任せろ」
ここからは、あくまでもオフレコってことで。
ケルベロスと人間のキメラ…か。
一体どんな…魑魅魍魎が出てくるのかと、俺は内心ハラハラしていた。
…の、だが。
「それで、シュニィ。その犯人は何処にいる?」
「教えたらあなた、犯人…マシュリさんを成敗するつもりでしょう?」
「勿論だ!いくらシュニィが美人だからって…いくらシュニィが美人だからって!シュニィを誘拐するなどけしからん!」
大切なことだから、二度言った。
「じゃあ駄目です、教えません。私は、彼を成敗して欲しくないんです」
「何だと?」
眉をひそめるアトラスである。
何故自分を誘拐した犯人を庇うのか、と言いたそうな顔だ。
俺もそう思うけど、誘拐されているとき、犯人とシュニィの間で何かあったのだろう。
「彼は居場所が欲しかっただけです。自分の家…家族が」
と、シュニィは言った。
「その思いを、アーリヤット皇王に利用されてしまったんです。私はマシュリさんに、今度こそ温かい居場所を作ってあげたいんです」
「…」
「だから、彼を裁くのはやめてあげてください。例えアトラスさんでも…それは譲りません」
…成程。
決意は固そうだな。
「…」
アトラスは黙ったまま、シュニィを見つめていた。
自分の妻が誘拐犯を庇っているのを見て、不愉快な気持ちになっているのかもしれない。
あるいは、拉致されている間に洗脳でもされたのか、と心配しているのかも。
…いずれにしても…。
「会ってみないことには、分からないだろ」
ベリクリーデと共に、床に伏せて身を守っていたジュリスが、ようやく起き上がった。
命拾いしたな、ジュリスは。
「会って、話してみないことには。シルナ・エインリー、お前もそうだろ?」
「…うん、そうだね。私もその子とお話してみたいよ」
ハンカチで顔を押さえたまま、シルナが答えた。
…だな。
ナジュから話は聞いていたが、やはり実物を目にしないことには。
本当に安心して良いのか分からない。
「…よし、分かった」
アトラスが何やら、決意を固めたようだ。
「シュニィがそこまで言うなら…。シュニィに免じて、ひとまず矛を収めよう」
おぉ、さすがシュニィだ。
あのアトラスに、理性を取り戻させるとは。
「だが、もしその犯人が、シュニィにけしからんことをしていたら…そのときは、俺が成敗してくれる」
「…何もされてませんよ。心配しなくても」
それなら良いんだが。
理性を取り戻したとはいえ、いつまたアトラスが暴走機関車と化すか、気が気じゃないよ。
「分かりました。それでは…マシュリさんのところに案内します。…ジュリスさん、誰も入ってこないように見張っていてもらえますか?」
「あぁ、任せろ」
ここからは、あくまでもオフレコってことで。
ケルベロスと人間のキメラ…か。
一体どんな…魑魅魍魎が出てくるのかと、俺は内心ハラハラしていた。
…の、だが。


