神殺しのクロノスタシスⅤ〜後編〜

ベリクリーデがあれほど「悪い人」だと言うから、どんな悪漢が犯人なのかと思っていたら。

予想以上に人畜無害そうな犯人が出てきて、非常に困惑している。

まぁ、本物の悪い奴ってのは、悪いことしそうにない顔してるもんだよ。

あたかも優しそうな顔をして、裏で悪いことを企んでいるから、悪人なのであって。

それを差し引いても、マシュリという奴は大人しかった。

逃げる様子もないし、後ろめたそうにしてる訳でもないし。

おまけに、シュニィが頑なに「閉じ込めないであげてくれ」と頼むものだから。

手錠を嵌めることも、牢屋に閉じ込めることも出来ず。

結局マシュリという奴は、しばらく客室で匿うことになった。

ベリクリーデも大丈夫だって言うし…。

本当に大丈夫なのか、俺は心配だが…。

処遇に困るんだが、果たしてこの客人待遇は正解なのだろうか?

…と、頭を悩ませていたそのとき。






「えっ、あれっ。シュニィちゃん…!?」

「シュニィ…!無事だったのか?」

「おっと。もう時既に遅しでしたか?」

…誰かと思ったら。

イーニシュフェルト魔導学院から、シルナ・エインリー、羽久・グラスフィア、ルーチェス・ナジュ・アンブローシアの三人がやって来た。

よぉ、お前ら…遅かったな。

いや、むしろグッドタイミングだったか…?