…で。
聞きたいことは、山のようにあるが…。
「…お前は誰だ?」
シュニィの横で、シュニィと手を繋いでいるお前は何者だ。
全く見覚えのない顔である。
聖魔騎士団の人間じゃないのは確かだな。
シュニィと手なんか繋いで、アトラスに見られたらお前、ぺちゃんこに潰されるんじゃね?
それどころか、こいつ…。
「ジュリス、この人悪い人」
「あ?」
ベリクリーデが俺の袖を引っ張って、シュニィの横の男を指差してそう言った。
悪い人…って。
じゃあこいつが、ベリクリーデの言ってた…。
この世に存在しちゃいけないレベルの、悪人?
…ってことは…。
「…お前がシュニィを攫った魔物か?」
俺は杖に手を伸ばして、そう尋ねた。
すると、そいつは。
「そうだよ」
特に狼狽えることも言い訳もせず、素直に認めた。
…へぇ。
その潔さは称賛に値する。
だが、聖魔騎士団副団長を拉致監禁した、その罪の重さを自覚しているようには見えないな。
ベリクリーデの言い分が正しいなら、この男は並みの魔物ではない。
それなのに何故か、シュニィはその魔物を守るように前に出た。
「大丈夫です、ジュリスさん。マシュリさんは…この方は敵ではありません」
マシュリ?
そんな名前なのか。こいつ。
魔物の割に、立派な名前をもらったもんだ。
「でも、お前を拉致したのはそいつなんだろ?」
「えぇ、そうです。でもマシュリさんは敵ではないんです。お願いだから、杖を向けないでください」
…ふーん。
突然誘拐され、何日にも渡って閉じ込められていたにも関わらず、シュニィはその犯人を庇っている。
つまり、それなりの理由があるってことなんだろう。
…分かったよ。シュニィがそこまで言うなら。
それに、このマシュリって男も、抵抗する意志は全くないようだしな。
「ベリクリーデ、大丈夫だと思うか?」
一応、俺は傍らのベリクリーデにも意見を求めた。
今ばかりは、ベリクリーデの直感を最大限頼りにさせてもらうぞ。
すると。
「?何が?」
「いや、だから…。こいつ、放っておいても大丈夫だと思うか?」
「この悪い人?この人は悪い人だけど、悪いことはしないから大丈夫だよ?」
「…」
…信じるぞ?良いんだな?
拉致監禁してる時点で、充分悪いことしてるはずなんだけどな…。
でも、俺はシュニィの証言と、ベリクリーデの直感を信じるよ。
「分かった。お前のことは、今は不問にしておく。…が」
「…」
「ほとぼりが冷めたら、お前には色々聞きたいことがある。…それで良いな?」
「…そうだね、良いよ」
マシュリという魔物は、素直に頷いた。
よし、じゃあそれまで、しばらくはお預けだな。
聞きたいことは、山のようにあるが…。
「…お前は誰だ?」
シュニィの横で、シュニィと手を繋いでいるお前は何者だ。
全く見覚えのない顔である。
聖魔騎士団の人間じゃないのは確かだな。
シュニィと手なんか繋いで、アトラスに見られたらお前、ぺちゃんこに潰されるんじゃね?
それどころか、こいつ…。
「ジュリス、この人悪い人」
「あ?」
ベリクリーデが俺の袖を引っ張って、シュニィの横の男を指差してそう言った。
悪い人…って。
じゃあこいつが、ベリクリーデの言ってた…。
この世に存在しちゃいけないレベルの、悪人?
…ってことは…。
「…お前がシュニィを攫った魔物か?」
俺は杖に手を伸ばして、そう尋ねた。
すると、そいつは。
「そうだよ」
特に狼狽えることも言い訳もせず、素直に認めた。
…へぇ。
その潔さは称賛に値する。
だが、聖魔騎士団副団長を拉致監禁した、その罪の重さを自覚しているようには見えないな。
ベリクリーデの言い分が正しいなら、この男は並みの魔物ではない。
それなのに何故か、シュニィはその魔物を守るように前に出た。
「大丈夫です、ジュリスさん。マシュリさんは…この方は敵ではありません」
マシュリ?
そんな名前なのか。こいつ。
魔物の割に、立派な名前をもらったもんだ。
「でも、お前を拉致したのはそいつなんだろ?」
「えぇ、そうです。でもマシュリさんは敵ではないんです。お願いだから、杖を向けないでください」
…ふーん。
突然誘拐され、何日にも渡って閉じ込められていたにも関わらず、シュニィはその犯人を庇っている。
つまり、それなりの理由があるってことなんだろう。
…分かったよ。シュニィがそこまで言うなら。
それに、このマシュリって男も、抵抗する意志は全くないようだしな。
「ベリクリーデ、大丈夫だと思うか?」
一応、俺は傍らのベリクリーデにも意見を求めた。
今ばかりは、ベリクリーデの直感を最大限頼りにさせてもらうぞ。
すると。
「?何が?」
「いや、だから…。こいつ、放っておいても大丈夫だと思うか?」
「この悪い人?この人は悪い人だけど、悪いことはしないから大丈夫だよ?」
「…」
…信じるぞ?良いんだな?
拉致監禁してる時点で、充分悪いことしてるはずなんだけどな…。
でも、俺はシュニィの証言と、ベリクリーデの直感を信じるよ。
「分かった。お前のことは、今は不問にしておく。…が」
「…」
「ほとぼりが冷めたら、お前には色々聞きたいことがある。…それで良いな?」
「…そうだね、良いよ」
マシュリという魔物は、素直に頷いた。
よし、じゃあそれまで、しばらくはお預けだな。


