鏡花ちゃんは私譲りのグレーの瞳に、色白で髪の色素も明るめだ。1/4のアメリカ人の血が色濃く表れたみたい。
 でも鼻の形は和仁さんに似ているのよね。そんな発見をするのも楽しい。


「さあみんな、お弁当食べましょう」

「姐さんが作ってくれたんすか!?」

「ううん、私はおにぎり握っただけ♡おかずは全部和仁さんよ」

「えーー!?兄貴の手作り!?」


 意外なことに、実は和仁さんって結構料理上手なのよね。
 これは後から聞いた話だけど、一度家を勘当された和仁さんは一人暮らしする中で自炊を覚えたらしい。

 それから今の舎弟たちと出会い、新たな組を結成したのだとか。
 その組の強さと勢いに圧倒され、組毎桜花組に吸収される形で和仁さんは次期組長に返り咲いたらしい。


「その兄貴が今や一児の父親っすよ。人生ってわからないっすよね〜」

「……お前たち、邪魔だから出て行け」

「えっ」

「何かあれば呼ぶ。弁当は持って行っていいから」

「兄貴〜〜!!」


 もう和仁さんったら、照れてるからってそんなに意地悪しなくてもいいのに。
 可哀想に、舎弟たちはお弁当を持って別の場所に移動させられてしまった。


「ちょっと可哀想じゃないかしら?」

「あいつらがいたらこういうことできないだろう」