もはや毎日和仁さんのお顔を拝むのが日課であり、エネルギーチャージになっている私にとっては欠かせないものなのだ。


「……ふっ」


 え?今和仁さん、笑った……?


「いやすまない、あまりにも正直すぎて笑ってしまった」


 笑顔を初めて見た。胸の奥がきゅうってなった。


「君が毎日楽しそうにしているから不思議に思っていたが、そんな理由だったとは」

「あっもちろんそれだけじゃないですよ。ガーデニングもすごく楽しくて!
実家にいた頃は家で誰かと楽しくおしゃべりすることなんてなかったから、すごく楽しいです」


 父がいれば一緒に食卓を囲んでいたけど、義母と莉々果は私がいると食事が不味くなると言って遠ざけていた。


「だからそうですね、我儘を言わせてもらえるのなら、こうして一緒に食事がしたいです。和仁さんの顔が見られるだけで元気になれるので」

「……わかった」

「えっいいんですか!?」

「君がそうしたいのなら」

「嬉しいです……!」


 やっぱり和仁さんは優しい。
 てっきり引かれると思ったのに我儘聞いてくれると思っていなかった。

 やっぱり和仁さんと結婚してよかった。
 愛がなくても政略結婚でも、それをどう捉えるのかは私次第だもの。

 今とっても楽しい。少なくとも実家にいた頃より楽しいのは間違いないわ。