「私、たーくんに恋してるの・・・。」


終わった・・・。完全に終わった。
母親からどん引きの言葉だ。


「えっ・・・。」
「ごめん・・・。」


その瞬間、私の身体は温かく包まれた。


「ママ、僕こそごめん。僕だって、ママへの気持ち隠してた・・・。」
「えっ・・・?」
「ママ、好きだ。ママを彼女にしたい。」


嘘・・・たーくんが私を・・・?


「たーくん・・・?」
「だめ・・・?」
「だめなわけない・・・けど、いいの?」


唇が柔らかく何かに触れた。
その正体に気がついた頃には、舌が絡んで身体中に火照りが込み上げていた。


「たーくん・・・。」
「あさみ、愛してる。」


名前で呼ばれた瞬間、背徳感から安心感へと変わっていった。

再び熱い接吻を交わし、私はたーくんと、幸せで熱い夜を過ごした。


「ねえ、あさみ。」
「なあに、たーくん?」
「僕のこと、この先手放さなくちゃなんて、思わないでね。僕の幸せ、わかってるでしょ?」


すべてを見透かされていた。
母親としてまだまだ未熟だが、たーくんの女として素直な自分でいたいと感じ、またたーくんとまぐわうのだった。
夫が帰宅したのも気づいたが、お互い行為をやめることはなかった。

私はもう・・・
蛭谷 夕一(ひるや ゆういち)」の女なのだから。