私の声と君の音

でも優也は、私達が小学3年生の時に、音楽教室をやめた。
私達は二度と会うことがなかった。

なのに、今私の目の前には優也がいる。
彼は私のことを知らないだろう。

『優也。』

私はまた彼の名前を口にした。
名前を言うだけで涙が出そう。

『どちら様ですか?』

うん、そうだよね。
知ってるわけが無い。

『ごめんなさい、あの、私。』

戸惑った顔をしてる。

『昔、あなたと同じ音楽教室に通ってたの。あなたのピアノの音をいつも聴いてた。』

『人違いじゃないですか?』

『え?』

『俺は、ピアノ、なんて弾けない。』

『うそ、でも』

『すみません失礼します。』