愛華と笑恋の約束を断って、私は今文学コースに来てる。
なんでかというと、呼ばれたから。
呼び出した人は、今まで喋ったことも見たこともない人。

「入学した時から一目惚れして、ずっと好きでした。」

告白か、でもこの人の名前すら知らない。

「付き合ってください!」

『ごめんなさい。』

私は考える間もなく断る。
だって、私には小さい頃から好きな人がいる。
小さい頃、同じ音楽教室に通っていた男の子。
ピアノの上手な男の子は、いつもつまらなそうな顔をしていた。

「そうですよね、」