2度目の音楽室は、1回目とまるで違う部屋みたいに思えた。

『林太郎はいつもこの部屋を使ってるの?』

『ううん、日によって違うよ。』

『そうなんだ。』

『たくさんあるからね、でも僕はこの音楽室が一番好き。』

『なんで?』

『1番高い場所にあるから、なんでも見えるし、なんでも聞こえる。』

『なるほど、なんか素敵だね。』

『そうだね笑気に入ってる。』

『なんか弾いてよ。』

『いいけど、何がいい?』

『じゃー、エリーゼのために。』

『わかった。』

林太郎は、すんなりと弾いてくれた。
やっぱ音楽コースは違うな。
ほんとに上手。
やっぱりお母さんのピアノに似てる。