私の声と君の音

私は久しぶりの朝練にわくわくしながら音楽室に向かった。
いつも通り、自分のバチを取って基礎台をやろうとしたら、ふと気づいたことがあった。
ピアノの上に楽譜が置いてある。
音楽室は吹奏楽部しか授業以外で使わない。
しかも、部活の中で教室の割り振りはパーカッションが音楽室だ。
パーカッションのメンバーの中にピアノを弾く人なんていただろうか。

『先輩、この楽譜誰のですか?』

「あー、それ多分音楽コースの人だわ。昨日練習部屋が空いてないらしくて、特別に音楽室のピアノを貸してあげたの。」

『そうだったんですね、先生に渡しときます。』

「ごめんね、ありがとう。」
「愛華ちゃん体調無理しないでねー。」

『はい、ありがとうございます。』