キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

私、『矢田成美』の妹で幸せだよ。
そんなことを思いつつ、その日は瞼を閉じたーー。


翌朝目を覚ますと、姉はもう隣にはいなかった。
今日は金曜日で午後から出勤するらしく、朝早くに家を出たらしい。

父ももう仕事に行ってしまっていないし。
起こしてくれたらよかったのになぁ……。なんかちょっと水臭い。

そんなことを思いつつダイニングテーブルの椅子に腰かけると、母がホットミルクを出してくれた。


「葵、お姉ちゃんから聞いたの?」

「うん。お姉ちゃん、結婚するんだね」

「そうみたいね。結婚式、楽しみよね」

「うん。お姉ちゃんのウェディングドレス姿、綺麗だろうな」


結婚式のことはなにも聞かなかったけれど、妄想ばかりが膨らんでいく。
それでも、生きていく楽しみが増えて嬉しくなる。

私もいつか、姉に続くんだ。
それまでにしっかりと病気を治して、普段通りの生活を取り戻すんだ。


「それで、結婚式はいつくらい?」

「そうねぇ……半年後くらいじゃないかしら」


そう言いながら、母は温かいおかゆを出してくれた。
まだ普通食を食べられる気がしなくて、消化のいいものを摂るようにしている。

これまで普通に食べていた母の食事も、今はとてもありがたく感じる。