キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

まるで母親のようにそう言い聞かせてくれた森脇さん。小さくコクリと頷くと、すぐに入院準備が初まった。

病棟に上がる前に、採血や追加で画像検査を行う。
病室の順が整うのを待つ間、私は近くに住む両親に連絡を入れた。

当然、両親は驚いた様子で、すぐに病院に駆けつけてくれるという。
電話の向こう側では母親のすすり泣く声が聞こえていたのを、私は聞き逃さなかった。


「矢田ちゃん。病棟、準備が整ったみたいだよ。上がる?」

「あ、そうですね。両親にも、病棟に上がったって伝えます」


外科外来の処置室のベッドから立ち上がり辺りを見渡すと、もう外は真っ暗だった。

……そうか。検査も受けて説明も受けたりしていると、こんな時間にもなるよね。
私は身軽だけれど、お腹が大きい森脇さんに遅くまで残っていてもらって、なんだか申し訳ない。

それに、家の事もしなければいけないだろう。
でも、私が不安にならないように一緒にいてくれているんだ。

そんな森脇さんのためにも、なんとしてでも病気を治さないと。


「急だったよね。辛くない?」


5階病棟に向かうまでのエレベーターの中で、森脇さんが話しかけてくれる。

彼女が言うように、本当に急なことだった。
一瞬で目の前が真っ暗になるってこういうことなんだ……と、初めてわかった。