キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

「外来、行けそう?」

「行きます……」


やっとの思いで立ち上がって、森脇さんに支えられながらゆっくりと外科外来に向かった。

よかった、森脇さんがいてくれて。
彼女も妊娠中で大変だというのに、私のことを気に掛けてくれる。

もうすっかり心は疲弊していて、1人では診察を受けられなかったと思う。

森脇さんと一緒に外科外来へと戻ると、すぐに診察室へと案内された。



「矢田。今日から入院だ」


カルテには目を通したのであろう。
診察室に入るなり言われたことは、入院。

しかも不愛想で顔色ひとつ変えることなく、当然のようにして言ってくる。


「え、入院……?」

「あぁ、入院。まずは2週間入院して、化学療法を試す」

「はい……」

「それから家族に連絡つくようにしておいて。病状説明と、治療方針について話すから」


それだけを私と森脇さんに伝えると、五十嵐先生は外来から出て行ってしまった。

診察らしい診察ではなく拍子抜けしたけれど、これでよかったのかもしれない。
詳しく説明されてもなんとなく悲しくなるだけ。

とりあえず今は、どうあがいても五十嵐先生の指示に従うことしかできないから。


「矢田ちゃん、着替えとかはレンタルする?」

「え、はい。あの……大丈夫、ですよね?」

「大丈夫。あとでご家族さんと説明聞いて、先生の指示に従おう」