キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

「そんなのって……ないよ……」


外科に勤務していたから、なんとなく病名の予想だってできた。

それでも、いざ告げられた病名は私にとっては衝撃的で、頭の中が真っ白になった。


ーー私、助かる?


治療を頑張れば、この先も生きていけるのかな。
もう、それすらもわからない。

外科外来へ戻る途中にある患者さん用の長椅子に突っ伏して、涙を流した。

……怖いよ。
これから素敵な彼氏を見つけて、素敵なプロポーズをしてもらって。

結婚もして出産も経験して……そんな未来を夢見てたのに。

なんで、私が……?



「……矢田ちゃん!!」


遠くから、森脇さんの声が聞こえた。

なかなか戻ってこない私のことを、探してきてくれたのだろう。


「よかった……! なかなか戻って来ないから」

「っ……森脇、さん……! 私っ……私!」

「大丈夫。矢田ちゃん、ちゃんと治療受けよう。五十嵐先生が、外来で矢田ちゃんのこと待ってる」

「い……五十嵐、先生が……?」


そうなんだ。私の主治医は、五十嵐先生になるんだ。
あの『凄腕ドクター』という異名を持つ五十嵐先生なら、私の病気も直してくれるかもしれない。

先が見えなくて怖いことばかりだけれど、治療を始めなければどうなるかなんてわからない。