キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

レントゲン写真は、比較的すぐに電子カルテに取り込まれる。

それなのに。
戻って来て10分経っているのに、まだ呼ばれない……。

なんだろう。悪い病変でも見つかった?
ただの筋肉痛ではなくて、腱に異常があるとか?

整形外科のことに関してはあまりわからないけれど、なにかありそうで怖い。


「矢田さん、お待たせ。入って」


先ほどのナースが、診察室から顔を覗かせた。

やっと呼ばれたことにホッとして、診察室へと入る。
なんとなくさっきとは違って、空気がピリピリと張り詰めているような気がするんだけど、気のせいかな?


「矢田さん、今から造影撮れる?」

「え? 造影……」

「ちょっと……早い方がいいかもしれない」


目の前が、一瞬で真っ暗になった。

……それってもしかして、ただの背部痛じゃなかったってことだよね?
だって、外科外来でもいつもそうだもの。

詳しい検査をした方がいいということは、違う病気が隠れている可能性があるということ。


「ここに陰影があるような気がして」

「……陰影、ですか」


おかしい。〝陰影〟なんて、いつも聞き慣れている言葉のはずなのに。


「もしかしたら、違う病変がーー」


最後の方では、もうドクターの説明なんて聞こえていなかった。

流されるように同意書に自分の名前と日付を記入していて、再び放射線科の待合室に腰かけていた。