キミと過ごした、光輝く270日間のキセキ【2.19おまけ追加・完結】

若いため、急激な進行の可能性が大いにある。

でも、まずは化学療法治療を行い、それで癌細胞が小さくならなければ乳房切除をするそうだ。

女性のシンボルともいえる、胸。
中には『切除』とドクターから告げられ、泣き崩れる患者さんを何人も見てきた。

それでも、やっぱり命を繋いでいくことが最優先。
明日を迎えるために『乳房切除』という決断をしなければいけないこともあるのだ。


「よくなりますように」


という願いも込めつつ、私は富永整形外科へのお返事を記載した。


その後は、重症便秘症である80代男性の患者さんの摘便と、大腸カメラの予約。
定期受診に来ている患者さんの投薬。

スムーズに診察を進めていった五十嵐先生の外来も無事終了し、残すは大貫先生の患者さん2名のみ。


「そろそろ整形の診察行ってもいいよ。大貫先生は大丈夫だと思うから」


患者さんが落ち着いて、再度カルテの確認をしていると、森脇さんが声を掛けてくれた。

大貫先生の外来はまだ続いているようだけれど、残り少ないから心配ないという。
事務作業も今はなさそうだし、抜けても大丈夫かな。


「整形外科から連絡ないけど、大丈夫ですかね?」

「いいと思うよ。早めに来ましたーって、受付で言えば」